雪だるま
本文約2,200字 ・ 読了時間 約5分
あらすじ(AIが作成しました)
冬の晴れた日、次郎と勇吉は圃の中で大きな雪だるまを作り、勇吉のハーモニカを口にはめ込んで完成させる。その夜、次郎は外からハーモニカの音が聞こえるのを聞き、お化けではないかと恐れる。翌日、勇吉は関与を否定し夢だと言うが、次郎は再び夜中に音がして外をのぞく。そこには雪だるまと話をする、翼を持つ黒い魔物の姿があった。次郎はその姿を風の神と捉え、魔物は叫びをあげて闇へと消えていく。
💰 この本を応援する(投げ銭)
いいお天気でありました。もはや、野にも山にも、雪が一面に真っ白くつもってかがやいています。ちょうど、その日は学校が休みでありましたから、次郎は、家の外に出て、となりの勇吉といっしょになって、遊んでいました。
「大きな、雪だるまを一つつくろうね。」
二人は、こういって、いっしょうけんめいに雪を一処にあつめて、雪だるまをつくりはじめました。
そこは、人通りのない、家の前の圃の中でありました。梅の木も、かきの木も、すでに二、三尺も根もとのほうは雪にうずもれていました。そして、わらぐつをはきさえすれば、子供たちは圃の上を自由に、どこへでもゆくことができたのであります。
頭の上の空は、青々として、ちょうどガラスをふいたようにさえていました。あちらこちらには、たこがあがって、籐の鳴り音が聞こえていました。けれど、二人は、そんなことにわき見もせずに、せっせと雪を運んでは、だるまをつくっていました。昼前かかって、やっと半分ばかりしかできませんでした。
「昼飯を食べてから、またあとを造ろうね。」
二人は、こういって、昼飯を食べに、おのおのの家へ帰りました。そして、やがてまた二人は、そこにやってきて、せっせと、雪だるまを造っていました。
ほんとうに、その日は、いい天気でありましたから、小鳥も木の枝にきて鳴いていました。しかし、冬の日は短くて、じきに日は暮れかかりました。西の方の空は、赤くそまって、一面に雪の上はかげってしまいました。その時分にやっと、二人の雪だるまは、みごとにできあがったのであります。
「やあ、大きいだるまだなあ。」といって、二人は、自分たちのつくった、雪だるまを目をかがやかして賞歎しました。次郎は、墨でだるまの目と鼻と口とをえがきました。だるまは、往来の方を向いてすわっていました。二人は、明日から、この路を通る人たちがこれを見て、どんなにかびっくりするだろうと思って喜びました。