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TORENDIA

びっこのお馬

本文約3,600字 ・ 読了時間 約8分

あらすじ(AIが作成しました)

ある日、二郎は重い荷を背負い、足を引きずりながら懸命に歩く馬を見かけ、その姿を深く哀れむ。二郎は切り抜いた紙の馬にその姿を重ね、雨に打たれれば足が伸びて治ると信じて屋根へ置く。雨が降り、紙の馬が濡れて見当たらなくなると、姉は馬が足を治して駆け出していったと二郎に伝える。二郎はそれを信じ、月の光の下で元気になった青い馬が往来を歩いていく姿を空想し、その純粋な心に姉は涙を流す。

小川未明

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🎧 びっこのお馬 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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二郎は、ある日、外に立っていますと、びっこの馬が、重い荷を背中につけて、引かれていくのでありました。

二郎は、その馬を見て、かわいそうに思いました。どんなに不自由だろう。そう思うと、達者な馬は、威勢よく、はやく歩いていくのに、びっこの馬はそれに負けまいとして、汗を流していっしょうけんめいに歩いているけれど、どうしてもおくれがちになるのでありました。

「このびっこめ、はやく歩け……。」と、その馬を引いている親方は、ピシリ、ピシリとこの馬のしりを打つのでした。

二郎は、ぼんやりと立って、それを見送っていますと、やがて、往来をあちらの方へと、遠ざかっていったのであります。二郎は、まだ六つになったばかりでした。

家に入ってから、兄さんや、姉さんに、今日、あちらの道をかわいそうなびっこの馬が通ったことを話しました。しかし、兄さんも、姉さんも、自分たちは、それを見なかったから、

「二郎ちゃんは、なにを見たんだか……。」といって、笑っていました。

二郎は、自分の見た、悲しい、哀れな馬について、よく兄や、姉にわからせたいと、いろいろにあせって、どもりながら、訴えましたけれど、相手にしてくれないので、

「そんなら、あしたの晩方、外に出ていてごらん、きっと、あの馬が通るだろうから……。」と、二郎は、兄さんや姉さんにいいました。

「ああ、通ったら、知らしておくれ。」と、兄さんや、姉さんは答えました。

二郎は、あくる日の晩方、友だちらが外に出て、鬼ごっこをしたり、独楽をまわしたりして遊んでいる時分に、独り、みんなから離れて、ぼんやりと往来の上に立って、通る馬や、車をながめていました。また、昨日のびっこの馬が通るかと思ったからです。

二郎の立っている前を通る車や、馬は、黄色なほこりをたててゆきました。ほこりは、これらの馬や車がいってしまった後でも、なお空中にただよっていましたが、ついに昨日のびっこの馬は通りませんでした。

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