村の兄弟
本文約2,800字 ・ 読了時間 約6分
あらすじ(AIが作成しました)
ある田舎の仲睦まじい兄弟は、町へ向かう道中で困っている老人を荷車に乗せて助ける。お礼に授かった、どんな病も治すという名薬を家宝とした二人は、互いに病に倒れた際、自らの命を顧みず相手に薬を飲ませようと譲り合う。二人が去ったのち、再び村を訪れた老人は、誰かのために献身する兄弟の生き方こそが人々に教訓を遺す素晴らしいものだと語り、桜が咲き誇る村で彼らの姿を想う。
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ある田舎に、仲のよい兄弟がありました。ある日のこと、兄は、一人で重い荷を車にのせて、それを引いて町へ出かけてゆきました。道すがら兄は、弟のことを頭の中で思っていました。
「頭のいい、やさしい、いい弟だ。俺はこうして働いても、せめて弟だけは、勉強をさせてやりたいものだ。」
などと考えていました。そして、ガタ、ガタと車をひいてきかかりますと、あちらの松の木蔭に見慣れないおじいさんが休んでいました。
おじいさんは、荷をつけた車が前にさしかかると、
「もし、もし。」といって、車を呼び止めました。
兄は、なにごとがあって、呼び止めたのだろうと思って、額ぎわに流れる汗をふいて、おじいさんの方を向いて立ち止まりました。
「私は、旅をするものだが、足が疲れてしまって歩けないから、どうか、その車に乗せて町までつれていってくださらないか。」と、おじいさんはいったのです。
兄はいつもならわけのないことだと思いました。しかし、今日は特別に重い荷をつけてきたので、このうえ人間を乗せるということは難儀でした。
「私の荷は重いのですが、この後から軽そうな荷をつけてきた人にお頼みくださいませんか。」と、兄は答えました。
すると、そのおじいさんは、頭を振りながら、
「この前にいった人にも頼んだら、いま、おまえさんがいったようなことをいって断った。そういわないで乗せてくださらないか。」と、おじいさんは頼みました。
兄は、つくづくそのおじいさんを見ましたが、身体が小さく、あまり重そうでもないようですから、
「そんなら、乗せていってあげます。そのかわり、そう早くは引かれません。」といって、おじいさんを抱くようにして、助けて、車の上に乗せてやりました。
おじいさんは、車の上に乗ってたいそう喜んでいました。
「人間というものは、だれにでもしんせつにするものだ。みんなが、そう心がつきさえすれば、世の中はいつも円く治まるのだ。」というようなことを途すがら、おじいさんは、車の上で話をいたしました。
やがて、車が町に入りました。すると、おじいさんは、