TRENDIA CLASSIC

赤土へくる子供たち

小川未明

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釣りの道具を、しらべようとして、信一は、物置小舎の中へ入って、あちらこちら、かきまわしているうちに、あきかんの中に、紙につつんだものが、入っているのを見つけ出しました。

「なんだろうか。」

頭を、かしげながら、ほこりに、よごれた紙を、あけてみると、べいごまが、六つばかり入っていました。信一は、急になつかしいものを、見いだしたようにしばらくそれに見入っていました。そのはずです。一昨年の春あたりまで、べいごまが、はやって、これを持って原っぱへ、いったものです。それが、べいのやりとりをするのは、よくないというので、お父さんからも、先生からも、とめられて、ついみんなが、やめてしまったが、ただ記念にしようと思って、これだけすてずに、紙に包んで、しまっておいたことを、思い出しました。

「やはり、こまはおもしろいなあ。」

お天気はいいし、子供たちのあそんでいる声が、きこえるし、もう信一は、じっとして、家にいることが、できなかったのです。べいごまを、ふところへ入れると、赤土の原っぱをさして、出かけていきました。

原っぱには、武ちゃんや、善ちゃんや、勇ちゃんたちが、あそんでいました。

信一は、ふところから、べいを取り出して、土の上で、まわしてみました。これを見つけると、善吉が、遠くからかけてきました。

「信ちゃん、なにしてんだい。」と、さけびました。

「なんでもない、ただ、まわしてみたんだよ。」と信一は、べいをひろい上げて、また紙の中へ、入れました。

「君、べいごま?」

「うん、そうだよ。」

「いくつ、持っているの?」

「六つしかない。」

善吉は、あんなに、たくさん持っていたのに、どこへやったのかと、いわぬばかりの顔つきをして、信一を見ました。

「あんなにあったのを、どうしたんだい。」

「みんな川へすててしまった。」

「おしいことをしたね。」

「だって、お父さんが、すてろといったから。」

善吉は、自分も同じようなめに、あったことを、思い出していました。

「君は?」と、こんどは、信一がたずねました。

「ぼくは、いま十個持っているよ。あとは、ごみ箱へ、すててしまったのさ。」

善吉が、こう答えると、信一は、目をまるくして、

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