つばめと魚
本文約2,200字 ・ 読了時間 約5分
あらすじ(AIが作成しました)
町のにぎやかな店先でガラス鉢に入れられた熱帯魚は、美しい姿を子どもたちに賞賛され、幸せな暮らしを享受していた。折よく訪れたつばめに対し、魚たちは故郷の川よりもこの場所での生活に満足していると語る。しかし、店主が留守の間に水を替えられず、魚たちは病に倒れてしまう。再訪したつばめは、奥の容器で苦しむ彼らの姿を目の当たりにし、他者から与えられた幸福の儚さと、自らの力で生きることの尊さを深く感じとる。
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そこは、町のにぎやかな通りでありました。ある店の前へ子どもがあつまっていました。ちょうどきかけたつばめは、どんなおもしろいものがあるだろうと自分もおりてみました。店には、金魚や、めだかなど、いろいろならべてあったが、その中でも、ガラスのいれものにはいった熱帯魚がめずらしいので、みんなは、この前に立って、美しい姿に見とれていました。
「なあんだ、あの魚たちなら、おれはよく知っているぞ。それにしても、よくこんな遠方まで渡ってきたもんだな。」と、つばめは、屋根のあたりを飛びながら、いいました。
ピイチク、ピイチク、つばめがしきりとなくので、ガラスばちの魚も、なんだかききおぼえのある声と思ったのでしょう。上を仰ぐと、つばめは、
「人のいないときに、またまいりますよ。」といって、飛び去りました。それから、じきに、またつばめは、やってきました。
「やあ、お達者でけっこうなことです。どうして、こんなところへきましたか。でもりっぱなうちにはいって、きれいな砂をしいてもらい、そのうえおいしそうな餌がたべられておしあわせではありませんか。」と、つばめは、魚たちに、いいました。
「そうおっしゃれば、まあしあわせですよ。なにしろ、みんなが私たちを、金魚よりきれいだといって、ほめてくれますし、めずらしいので、貴重品あつかいにして、価も高くつけ、大事にしてくれますから、くにに、いたときのことを考えれば、くらべものになりませんよ。」と、熱帯魚は、答えました。
「まったく、あちらにいては、あなたたちの、きれいなのが、めだちませんでしたものね。」
「いったい、くにの人は、ほんとうに美しいものを、見る目がないんですよ。」と、一匹の魚が、いきごんでいいました。
「そうばかりではありません。あちらの自然が、きれいなのです。花でも、虫でも、日の光から、水の色まで、なにもかも、赤・緑・青・黄というふうに目のいたくなるほど、色がこいのですから、あなたたちがめだたぬのも無理はありません。」と、つばめはさとしました。
「こんなに、のんきに、暮らされれば、くにへなど、かえりたくありません。」と、ほかの一匹がいいました。