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TORENDIA

水七景

本文約2,600字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

村から町へ向かう川辺の親子の会話、城跡に残る伝説、川遊びの記憶や井戸にまつわる逸話、月光が宿る夜の情景、川で菜を洗う母子、そして水盤で暮らす生き物の様子など、季節の移ろいとともに変化する川や水と人々の暮らしにまつわる七つの情景を綴る。

小川未明

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🎧 水七景 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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*

村から、町へ出る、途中に川がありました。子どもは、お母さんにつれられて、歩いていました。

橋をわたりかけると、子どもは、欄干につかまり川を見おろしました。水が、あとから、あとから、流れてきて、くいにぶつかっては、うずをまき、ジョボン、ジョボン、と、音をたてていました。子どもは、ふしぎそうに、それを見まもり、

「お母ちゃん、水が、なにかいっていますね。」と、いいました。

「早く、道草をとらんで、いらっしゃいと、いっているのですよ。」と、お母さんは、答えました。

「この水は、どこまでいくの。」

「そうですね、村や、町を通って、海へいくのですよ。」

二人は、話しながら、また、歩きだしました。岸の、ねこやなぎは、まだ赤いずきんをかぶって、ねていました。

*

今年の、遠足は、昔の、城あとを見にいくのでした。

ぼくたちは、田んぼの、小道を歩いて、森のある村を通り、そして、さびしい小山のふもとへ出ました。

そこが、城あとでありました。わずかにのこるものは、当時、とりでにつかったという、青ごけのはえた、大きな石と、やぶにかくれた、池くらいのものです。その池には人のいないとき、金の蔵が浮くという、いいつたえがありました。

「みなさん、池はあぶないから、気をつけるんですよ。」と先生は、いわれました。

くまざさをわけて、下をのぞくと、水のおもてが、青黒く光って、それへ、まわりの木の枝から、たれさがる、むらさき色のふじの花が、美しいかげをうつしていました。「ドボン。」と、どこかで、かえるのとびこむ音がしました。

*

ぼくたちの、泳ぎにいく川は、村の近くにありました。水が、いつもたくさんで、きれいでした。浅いところは、そこにうずまる、白いせとものや、青い石ころまですきとおって見えました。橋のところから、川下へいくにつれて、だんだん、深くなりました。

くるみの木のあるあたりが、いちばん深くて、ぼくたちの背は、立ちません。ここでは、よく大きなふなや、なまずなどが、つれました。

今年も、いつしかたのしい、泳ぎの季節となりました。おばあさんが、

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