本文へ移動
TORENDIA

日本民藝館について

本文約7,200字 ・ 読了時間 約15分

あらすじ(AIが作成しました)

柳宗悦が創設した民藝館は、直観によって選別された美しい工藝品を収蔵・展示する施設である。歴史的価値や希少性といった従来の基準に依らず、作者の意図や技巧を超えた「美」の本質を追求する。館では無銘の雑器に見出される健康的な美や簡素な造形を重視し、工藝の新しい可能性を模索する。展示を通じて美の目標を明確にし、古作品を参考としつつ新作工藝の振興にも力を入れるなど、未来の工藝界との関わりを大切にする美術館としての役割と理念を綴る。

柳宗悦

速度
🎧 日本民藝館について / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 11

一

私はよくこういうことを想像します。もし民藝館のような仕事を誰か他人が何処かで企てているとしたら、どんなに私は感心するであろうかと。そうして誰にも劣らず讃辞を惜しまないであろうと。そうして啻にたびたびそこを訪れるのみならず、進んで広く紹介する役割をかって出るであろう。陳列を終る時、私はよくそう考えるのです。これを強ち自分に酔う愚かな者の空想だと思うわけにゆきません。それほど民藝館の仕事に私達は一つの信念を抱いているのです。

民藝館は日本における唯一の存在なのです。こういう性質の美術館は、かつて企てられたことがありませんでした。当然存在しなければならないので、私達が代ってその任務を果しているのです。啻に日本において唯一のみならず、世界でも類例の稀な存在だと思っています。私共は随分世界の美術館を見ましたが、多少似たものはありますけれど、この民藝館のように美の目標を定めて、統一された蒐集と陳列とを行っているものはないように思います。未だ出発でありますから規模は小さくありますが、あるいはこの位の程度の大きさの方が、かえって鑑賞されるには適宜かと思われます。

二

柳宗悦の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本