TRENDIA CLASSIC

日本民藝館について

柳宗悦

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私はよくこういうことを想像します。もし民藝館のような仕事を誰か他人が何処かで企てているとしたら、どんなに私は感心するであろうかと。そうして誰にも劣らず讃辞を惜しまないであろうと。そうして啻にたびたびそこを訪れるのみならず、進んで広く紹介する役割をかって出るであろう。陳列を終る時、私はよくそう考えるのです。これを強ち自分に酔う愚かな者の空想だと思うわけにゆきません。それほど民藝館の仕事に私達は一つの信念を抱いているのです。

民藝館は日本における唯一の存在なのです。こういう性質の美術館は、かつて企てられたことがありませんでした。当然存在しなければならないので、私達が代ってその任務を果しているのです。啻に日本において唯一のみならず、世界でも類例の稀な存在だと思っています。私共は随分世界の美術館を見ましたが、多少似たものはありますけれど、この民藝館のように美の目標を定めて、統一された蒐集と陳列とを行っているものはないように思います。未だ出発でありますから規模は小さくありますが、あるいはこの位の程度の大きさの方が、かえって鑑賞されるには適宜かと思われます。

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