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TORENDIA

二少年の話

本文約3,200字 ・ 読了時間 約7分

あらすじ(AIが作成しました)

田舎から転校してきた少年秀ちゃんと、都会で育った達ちゃんは、学校へ通う道すがら交流を深める。秀ちゃんは、達ちゃんが先生にしかられた出来事を尋ねられても決して口にせず、かえって自身の失敗談を語ることで達ちゃんを窮地から救う。この出来事を通じて達ちゃんは、友達の優しさに感謝し、他人の短所をあげつらう自身の態度を反省する。少年二人の交流と友情の芽生えを描く。

小川未明

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🎧 二少年の話 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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達ちゃんの組に、田舎から転校してきた、秀ちゃんという少年がありました。住んでいるお家も同じ方向だったので、よく二人は、いっしょに学校へいったり、帰ったりしたのであります。

ある日のこと、達ちゃんは、夕飯のときになにか思い出してくすくすと笑いました。

「なにか、おかしいことがあったの。」と、お姉さんがおっしゃいました。

「きょう、秀公といっしょに帰ったら、鳥屋の前で、いろいろの鳥が鳴いているのを見て、ああ、うそが、琴を弾じているといったんだよ。」と話しました。

「うそってなあに?」と、お姉さんがたずねられました。

「姉さんは、まだ、うそという鳥を知らないのかい。べにがらのように赤くて、もっと大きい鳥なんだよ。じゃ、姉さんは、文鳥を知っているだろう。ちょうど、あんなような鳥なのさ。」と、達ちゃんは、いいました。すると、こんど、お兄さんが、

「うそなら、寒い方にいる鳥だ。そして、それがどうしたというんだい。」と、きかれました。

「秀公が、小さいとき、おばあさんから、昔話をきいたんだって。昔あるお姫さまが、悪者のためにさらわれていって、沖の島で、一生独りさびしく琴を弾じて送ると、死んでから、その魂がうそになったというのだよ。それで、うそがさえずっていたので、秀公が、琴を弾じているといったんだそうだ。僕、なんのことかわからなかったのさ。」

達ちゃんが、思い出して笑うと、姉さんもその意味がわかって、笑われたのでした。

「だが、おもしろいお話じゃないか。」と、兄さんは、いわれました。

「また、秀公の生まれた村から、日本海は近いんだって。海へいく道端に、春になると桜が咲いて、それはきれいだといっていたよ。」

「春は、田舎がいいだろうからな。」

「秀公は、やはり田舎がいいといっていた。」

「秀ちゃんて、どんな子?」

「できないので、先生にしかられてばかりいるのさ。」

こういうと、お姉さんは、達ちゃんをにらみました。

「自分だって、できないくせに、ひとのことを悪くいうもんでないわ。」

これをきいて、お父さんも、お母さんも、お兄さんも、みんながお笑いになりました。

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