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TORENDIA

ねことおしるこ

本文約1,700字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

夜中に聞こえた猫の喧嘩をきっかけに、正ちゃんはお姉さんから叱られる。翌日も、正ちゃんが往来で大きな声でおしるこの話を披露したことで、お姉さんは再び弟をたしなめる。やがて日が暮れ、夕方になっても正ちゃんの姿が見当たらないことに気づいたお姉さんは、心配のあまり町中を探し回る。無邪気な弟を厳しく接してしまったことを後悔するお姉さんの心境と、遊びから帰宅した正ちゃんとの日常のやり取りを綴る。

小川未明

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🎧 ねことおしるこ / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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「お姉ちゃん、お姉ちゃん、たいへん。」と、まくらをならべている正ちゃんが、夜中にお姉さんを起こしました。よく眠入っていたお姉さんは、何事かと思って、おどろいて目をさまして、

「どうしたの、正ちゃん。」と、いまにも立ち上がろうとなさいました。

「あれ、たいへんじゃないか。」と、正ちゃんは、大きな目をあけて、耳をすましていました。

「なにさ、なにがたいへんなの。」

「アオン、アオンといっているだろう。あれは、黒いどらねこだよ。そして、ニャア、ニャアといっているのは、三毛なんだよ。」

正ちゃんは、ねこのけんかで目をさましたのでした。小さい三毛が、大きな黒ねこにいじめられているので、たいへんだと思ったのです。

「ねこのけんかでしょう。そんなことで、人を起こすものがありますか、びっくりするじゃありませんか。」と、お姉さんは、正ちゃんをしかりました。正ちゃんは、お床の中で、しばらく黒ねこと三毛ねこのけんかをきいていましたが、我慢がしきれなくなって、

「しっ!」と、どなりました。

そのうちに、ねこのなき声がしなくなりました。

「わるいどらねこだな。こんど見つけたら、石を投げてやるから。」

そういって、正ちゃんは、眠りましたが、お姉さんは、なかなか眠れませんでした。明くる日の朝、みんなが、テーブルの前にすわったとき、

「あんなことで、起こすものじゃなくてよ。」と、正ちゃんは、お姉さんにしかられました。ところが、その日の午後でありました。お姉さんが、学校から帰ってくると、往来で遊んでいた正ちゃんが、遠くから、見つけてかけてきて、

「お姉さん!」と、呼びました。これを見た、お姉さんは、思わずにっこりなさいました。正ちゃんは、やっと、お姉さんに近づくと、

「お姉ちゃん、おしるこがあるよ。だけど、たった、一杯!」と、大きな声で、いいました。歩いている人が、これをきいて、笑ってゆきました。お姉ねえさんも、きまりが悪くなりました。お家へ帰ると、お姉さんは、

「なぜ、あんなみっともないことをいうの、人が笑ってゆくじゃありませんか。」といって、正ちゃんをしかりました。

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