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TORENDIA

一粒の真珠

本文約2,100字 ・ 読了時間 約5分

あらすじ(AIが作成しました)

雪の降る夜、病気の母を助けようと、勇吉は金持ち以外は診察しないと噂される医者を迎えに町へ向かう。道中、謎の男から譲り受けた一粒の真珠を頼りに医者の家を訪ねると、真珠を見た医者は自身の過去を悔い改める。強欲で知られた医者が、少年の真っ直ぐな想いと不思議な縁に導かれ、病の母を救うために雪深い村へと奔走する物語である。

小川未明

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🎧 一粒の真珠 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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ある町にたいそう上手な医者が住んでいました。けれど、この人はけちんぼうで、金持ちでなければ、機嫌よく見てくれぬというふうでありましたから、貧乏人は、めったにかかることができませんでした。

それは、雪まじりの風の吹く、寒い寒い晩のことです。

「こんな晩は、早く戸を閉めたがいい。たとえ呼びにきても、金持ちの家からでなければ、留守だといって、断ってしまえ。」といいつけて、医者は、早くから暖かな床の中へ入ってしまいました。

ちょうど、その夜のことでした。この町から二里ばかり離れた、さびしい村に、貧しい暮らしをしている勇吉の家では、母親の病気が募るばかりなので、孝行の少年、勇吉は、どうしていいかわからず、おどおどとしていました。父は、彼が三つばかりのとき、戦争に出て死んでしまったのです。その後は、母と二人で、さびしく暮らしていました。母が、野菜を町へ売りにいく手助けをしたり、鶏の世話をしたりして、母の力となっていました。

二人が、達者のうちは、まだどうにかして、その日を送ることもできたが、母親が病気になると、もうどうすることもできなかったのでした。さいわい、近所の人たちが、しんせつでありましたから、朝、晩、きては、よくみまってくれました。

「勇坊、きょうは、お母さんはどんなあんばいだな?」と、いってくれるものもあれば、

「お米でも、塩でも、私たちの家にあるものなら、なんでもいっておくれ。」と、いってくれるおかみさんたちもありました。

しかし、母親の病気だけは、いまは売薬ぐらいではなおりそうでなかったのです。

「これは、お医者にかけなければなるまい。」と、近所の人々も口には出さぬが、頭をかしげていました。

「お母さん、苦しい?」と、勇吉は、母親のまくらもとにつききりで、気をもんでいましたが、なんと思ったか、急に立ち上がって、

「僕、お医者さまを迎えにいってくる!」といいました。

「勇坊、町からきてもらうには、すぐにお金がいるのだ。それも、すこしの金でないので、私たちも、こうして思案しているのだ。」と、一人の老人がいいますと、

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