僕たちは愛するけれど
本文約2,900字 ・ 読了時間 約6分
あらすじ(AIが作成しました)
染め物屋の原っぱで捨てられた二ひきの子ねこを見つけた子供たちは、その命を救おうと飼い主を探し始める。誠と二郎は周囲に頼み込み、一度は引き取り手が見つかるものの、大人の都合や反対によって困難に直面する。誠は家で家族を説得し、最終的に米屋に引き取られることで子ねこの行き先は決まる。この経験を通じて子供たちは、動物を純粋に慈しむ自分たちと、大人の理屈や気まぐれによる命への向き合い方の違いを痛感する。
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「誠さんおいでよ、ねこの子がいるから。」と、二郎さんが、染め物屋の原っぱで叫びました。
誠さんにつづいて、二、三人の子供らが走ってゆきますと、紙箱の中に二ひきのねこの子がはいっていました。
「だれか、捨てたんだね。」
「橋の上に置いてあったのを、三びきジョンが食い殺したのだ。」
「悪いジョンだね、いじめてやろうか。」と、誠さんや、正ちゃんがいいました。
「茂さんが怒って、ジョンを河の中へ突き落としたんだよ、ジョンのやつ、クンクンないて逃げていってしまった。」と、二郎さんが、告げました。
「かわいらしいね。」と、新ちゃんや、年ちゃんが、ねこの前にしゃがんで、頭をなでてやりました。
「おなかが空いているから鳴くのだろう。」
「僕、ご飯を持ってきてやるから。」
新ちゃんは、家へ駆け出してゆきました。ご飯にかつお節をかけて、おさらに入れて持ってきました。一ぴきは、小さな頭を振って食べました。一ぴきは、箱のすみでふるえていました。
「かわいそうだね。」と、誠さんが、二ひきの子ねこを見ながらいいました。
「晩に雨が降れば死んでしまうね。」
「僕たち、雨の当たらないように、お家を造ってやろうか。」と、年ちゃんがいいました。
「そんなことをしたって、だめだよ。それよりか、だれか飼ってくれないかな。」と、二郎さんが、いいました。
「だれか、飼ってくれるといいね。」と、誠さんが、二郎さんの言葉に同意しました。
「新ちゃんの家では、飼わない?」
「僕のうちでは、お母さんが、ねこをきらいだよ。」と、新ちゃんは、答えました。
「君のうちでは?」と、誠さんが、二郎さんにききました。
「僕のうちには、一ぴきねこがいるじゃないか。」
「あの、大きいきつね色のどらねこは、君んちのかい。」
「ああ、そうさ。」
これをきくと、みんなが笑いました。
「あのくりの木に、かぶとむしがいる!」
このとき、あちらで、だれかいった声がすると、みんなは、その方にかけていってしまいました。あとには、二郎さんと誠さん、二人だけが残って、子ねこをどうしたらいいものかと相談していました。
「どこかで飼ってくれないか、方々きいてみようか。」