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TORENDIA

珍しい酒もり

本文約5,500字 ・ 読了時間 約11分

あらすじ(AIが作成しました)

北の国の王は、単調な日々に退屈し、南の国の王を見習って宿なしや乞食を集めて宴を開く。そこで人々が不思議な話を語り、踊る中、ある老人が袋を背負って現れる。老人が去った後、雪の中から様々な色の珍しい花が咲き乱れる。王は、花の種子を運んでいたその老人の事情を知り、彼を故郷へ帰す。この美しい花の野原は、王の心をなぐさめる。

小川未明

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🎧 珍しい酒もり / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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北の国の王さまは、なにか目をたのしませ、心を喜ばせるような、おもしろいことはないものかと思っていられました。毎日、毎日、同じような、単調な景色を見ることに怠屈されたのであります。

このとき、南の国へ使いにいった、家来が帰ってまいりました。なにかおもしろい話を持ってこないかと、さっそく、その家来にご面会になりました。

「ご苦労だった。無事にいってこられて、なにより、けっこうのことだ。南の国王は、達者でいらせられたか……。」と、おたずねになりました。

家来は、長い旅をしたので、顔の色は、日に焼けて、頭髪は、雨や、風に、たびたび遇うたことを思わせるように、伸びて乱れていました。

「南の国王は、お達者でいらせられます。そして、毎日、愉快にお暮らしになっていらせられます。帰ったら、よろしく申しあげてくれいとの、お言葉でありました。」と、家来は、申しあげました。

北の国の王さまは、うなずかれてから、

「それは、けっこうなことだ。しかし、ほんとうに南の国王は、愉快に日を送って、おいでなされるか?」と、問いました。

家来は、両手を下について、

「毎日、それはそれは愉快に、日を暮らしていらせられます。南の方は、こちらよりは、ずっと日が長いように思われますが、それでも、国王は、短いといって、嘆いていられたほどであります……。」と、お答え申したのでした。

北の国王は、不思議のように思われました。自分には、どうして南の国のような、楽しいことがないのだろうかと、かなしく思われたのでした。

「自分は、明けても、暮れても、この単調な景色を見るのに飽きてしまった。やがて、広い野原は、雪におおわれることであろう。どうして、自分には、そうしたおもしろいことがないのであろうか?」と、おっしゃられました。

家来は、王さまの顔を見上げながら、

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