小鳥と兄妹
本文約1,800字 ・ 読了時間 約4分
あらすじ(AIが作成しました)
静かな村に住む兄妹は、雑誌に掲載された美しい小鳥の姿を眺めながら、その鳥が遠い都会では大切に飼われているという話を交わす。庭の木にいた小鳥のうそは、その会話を聞いて自分を愛してくれる場所への旅立ちを夢見るようになる。電信柱から情報を得ようとするが場所を知ることはできず、兄妹の不在に失望したうそは、仲間と共に北の故郷へ帰ることを決意し、大空へと旅立っていく様子を描く。
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町からはなれて、静かな村に、仲のいい兄妹が住んでいました。
兄を太郎といい、妹を雪子といいました。二人は、毎月、町へくる新しい雑誌を買ってきて、いっしょに読むのをなによりの楽しみとしていました。
ある日のこと、二人は、雑誌を開いて見ていますと、その月のには、美しい花や鳥の写真がたくさんに載っていました。
「まあ、きれいだこと、兄さん、この鳥は、よく見る鳥じゃありませんか。」と、雪子はいいました。
その鳥は、すずめほどの大きさで、くびのまわりが紅く、まことに美しかったのであります。
「ああ、この鳥は、よく庭の木にやってくるうそという鳥だ。こちらにはたくさんいて珍しい鳥でないけれど、東京へゆくと、この鳥は少ないとみえて、たいせつに飼われるのだね。」と、兄はいって、雑誌に書いてあることを妹に読んで聞かせたのです。
このとき、うそが、ちょうど庭の木にきてとまっていました。兄と妹が、雑誌を開いて、自分の写真を指さしながら、話をしているのをじっとながめていました。鳥というものは耳ざといものでありますから、二人の話はなんでもよくわかりました。そして、目もよくききましたから、二人が、窓の下で見ている雑誌の絵もわかりました。
「いま、あの子供さんたちがいっているのを聞くと、ほかの国へゆけば、自分は大事にされるということであるが、いったいどこだろう……。ああして、絵にまで自分の姿をかいて出してあるのを見れば、まんざらうそのことではない。」と、うそは思いました。
この小鳥は、寒い、寒い、北の国に産まれたのでした。もう夏もやがてくるので仲間といっしょに、ふたたび故郷へ帰る約束をしたのであります。天気のいい日を、見はからって、彼らは旅立つことになっていました。
うそは、友だちとした約束を忘れなかったけれど、
「どうか、自分をかわいがってくれる、その知らない土地へいってみたいものだ。」と思いました。