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TORENDIA

掃除当番

本文約4,700字 ・ 読了時間 約10分

あらすじ(AIが作成しました)

四年男子組の槇は、掃除当番のぞうきんが五年男子組に持ち出されたことを知る。槇は仲間を連れて五年男子組の教室へ抗議に向かうが、そこで五年も六年男子組にぞうきんを持ち去られたことを聞く。各学年の当番は協力して六年生の教室へ赴き、ぞうきんを巡る争いを解決する。槇は、各学年の自治会を通じて学校に新しいぞうきんの提供を求める提案を行い、他の学年からも賛同を得て、子どもたちの間での友好的な解決と協力関係を描く。

槇本楠郎

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🎧 掃除当番 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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びつくりするほど冷たい井戸水を、ザブ/\と二つのバケツに一ぱい汲むと、元気な槇君はそれを両手にさげて、廊下から階段を登つて、トツトと自分の教室へ帰つて来ました。

すると、だしぬけに、四五人の掃除当番の者が、口々にかう叫びました。

「おい君、五年生のやつらが、僕たちのぞうきんを持つてつちやつたぞ!」

「おれ、ほうきで追つかけたんだが、どうしても返さないんだ――」

「三人はいつて来て、だまつて探してゐたが、『おう、たくさんあるな、一枚かりてくよ』つて、持つてつちやつたんだよ!」

「上級生だつて、なまいきだ! ねえ槇君、おれたちも、しかへしに、何か、かつぱらひに行かう! ごみとりだつて、ほうきだつて、あいつらの帽子だつていゝぢやないか! かうなれア非常時だ――」

「アツハ、『非常時』はすげエや。非常時日本……いや、非常時四男組だア……」

みんなワイ/\騒ぎ出しました。だまつて窓ガラスを拭いてゐた、女のやうなおとなしい水村君も、窓からおりて来ました。

「ぞうきんは、これつきりだね?」

槇君はさう云ひながら、落着いて、残つてゐるぞうきんを、床の上に並べて見ました。四つあります。けれど、みんなボロ/\で、中には半分ぐらゐしかないのもあります。

「これぢや駄目だね。」と、槇君は呟きました。「よし、僕が取り返しに行く。こんなぞうきんばかりで拭けるもんか。みんなも、ついて来てくれ。だが、乱暴しちや駄目だぞ。」

「おれ、ほうきもつてかうか?」

「よせ/\!」と、誰かゞ止めました。

「そんなら、ぞうきんならいゝだらう? おれ、こいつで、五年生のやつらの、顔をふいてやるんだ。イザつていふ時にな。」

「さうだア、おれもさうしよう!」

背の高い、当番長の槇君は、サツサと出て行きました。

その後へ、四人つゞきました。少し遅れて、また二人、まだ滴のたれるボロぞうきんをさげて、追ひつきました。

すぐ隣の教室は、四年女子組の教室で、その次が五年男子組の教室です。

槇君を先頭にする四年男子組の子供たちは、いつもなら、女子組の掃除当番にからかつたりするのですが、今日は見向きもしないで、ドヤ/\と五年男子組の教室へ、おしかけて行きました。

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