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TORENDIA

赤い旗

本文約6,000字 ・ 読了時間 約12分

あらすじ(AIが作成しました)

貧しい少年少女に向けたこの童謡集は、過酷な現実に生きる子供たちへの連帯と、社会的な抑圧に対する抵抗の意志を綴る。作者自身の困窮した体験を踏まえつつ、労働者や農村の子供たちの苦難と、将来への希望を鮮やかな言葉で描き出す。物語や昔話の形を借りながら、地主や資本家による搾取を批判し、社会を変革しようとする姿勢を子供たちに呼びかける内容である。

槇本楠郎

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🎧 赤い旗 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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プロレタリアの少年少女へ

貧しい子供たちよ。

おぢさんは、みんなが大へん可愛い。この本は君たちに讀んでもらひ、歌つてもらうために書いたのだ。金持の子供なんか讀まなくたつていい。

おぢさんは君たちのお父さんやお母さんと同じやうに貧乏だ。そして君たちのやうな元氣な可愛い子供を持つてゐる。去年は六つになるスミレといふ女の子を一人亡くした。それはおぢさんが貧乏なために、金持の子のやうに大切にしてやられなかつたからだ。だがおぢさんにはまだ二人の子供がある。もしこの二人が死んでしまつても、おぢさんはまだ/\氣を落しはしまい。それは元氣な君たちが大勢ゐてくれるからだ。それほどおぢさんは君たちを、自分の子のやうに思つてゐる。

おぢさんは永いこと、いつも、君たちにいい本をこしらへてあげたいと思つてゐた。けれど貧乏では本も書けない。今度やつとのことで、この本をつくることができた。けれどこれは手はじめで、そんなにいいものとは云へない。第一、本が高すぎる。それに童謠だつて、まだほんとうに君たちに好かれないかも知れない。けれど君たちは金持の子や、金持の味方の詩人やまたそいつらと一しよに貧乏人を馬鹿にしてゐる奴らのやうに、このおぢさんの童謠を一も二もなく、頭からバカにし、惡口なんか云はないだらう。きつと、おぢさんの子供やおぢさんを好いてくれる子供たちと同じやうに、よろこんで讀んでくれ、よろこんで歌つてくれるにちがひない。

そこで、わたしの好きな子供たちよ。おぢさんはみんなとお約束しよう。この次に出すおぢさんの本は、きつといい本で、もつと安くすること、を。

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