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TORENDIA

比較科学論

本文約9,500字 ・ 読了時間 約19分

あらすじ(AIが作成しました)

科学における研究方法を、目的と理論を立てて進める「警視庁型」と、未知の対象を探索する「アマゾン型」の二つに分類し、それぞれの特徴や相互の関連性、重要性を論じる。前者は計画的で効率的だが、後者は自然の神秘を探求する姿勢を基盤としており、両者の融合や、既存の思考形式に捉われない新たな科学のあり方について検討する。

中谷宇吉郎

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一 研究における二つの型

科学が今日のように発達して来ると、専門の分野が、非常に多岐に分れて、研究の方法も、千差万別の観を呈している。事実、使われている機械や、研究遂行のやり方を見ると、正に千差万別である。しかしそれらの研究方法を概観すると、二つの型に分類することができる。

その一つは、今日精密科学といわれている科学のほとんど全分野にわたって、用いられている研究の型である。問題を詳細に検討して、それを分類整理し、文献をよく調べて、未知の課題を見つける。このいわゆる研究題目が決まると、それについて、まず理論的な考察をして、どういう実験をしたら、目的とする項目についての知識が得られるかを検討する。そして実験を、そのとおりにやって、結果を論文として報告する。

こういう種類の研究で、一番大切なことは、よい研究題目を見つけることである。それが見つかれば、あといろいろと工夫をして、その問題を解いて行けばよい。比較的簡単に解ける場合もあろうし、非常に困難な実験をしなくてはならない場合もあろう。しかしいずれにしても、犯人は分っていて、それを捕えるという場合に似ている。相手が鼠小僧や石川五右衛門のような場合には、非常に複雑で困難な実験を必要とする。こそ泥くらいならば、ちょっとした実験ですぐ分る。いずれにしても、犯人が分っていて、それを捕えるのに難易があるのであるから、これは警視庁型といった方がよいであろう。

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