本文へ移動
TORENDIA

小ねこはなにを知ったか

本文約5,200字 ・ 読了時間 約11分

あらすじ(AIが作成しました)

三人の姉弟が近所の小ねこを飼い始める。成長とともに小ねこは食事に贅沢を言い、いたずらをするようになり、姉弟は次第に世話を疎ましく思う。ついに小ねこを遠くへ捨てたが、その直後から後悔の念に駆られる。捨てられた先で空腹と恐怖を味わった小ねこは、かつて自分が追い払った白い犬と再会し、家へ戻る。命拾いした小ねこは、白い犬に食事を分け与え、生き物の責任と情けを学ぶ。

小川未明

速度
🎧 小ねこはなにを知ったか / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 7

親たちは、生き物を飼うのは、責任があるから、なるだけ、犬やねこを飼うのは、避けたいと思っていました。けれど、子供たちは、日ごろから、犬でも、ねこでも、なにかひとつ飼ってくださいといっていました。

ちょうど、そのころ、近所でかわいらしいねこの子が産まれたので、それを見てきた男の子は、これを姉さんや、小さい兄さんに話したので、三人は熱心に、お母さんのところへいって、ねこの子をもらってきてもいいでしょうと頼んだのであります。

お母さんは、下を向いて、仕事をしながら、どう答えていいものかと、しばらく考えていられましたが、

「お父さんがいいとおっしゃったら、飼ってもいいが、おまえさんたちに、その世話ができますか。なかなか手のかかるものですよ。」と答えられました。

これを聞くと、子供たちは、もしや、お母さんに、頭から、いけないといわれればそれまでだと思っていたのが、こうやさしくいわれると、半分は、もはや、自分たちの願いがかなったように思われて、三人の顔は、にこにことして輝きました。

「ねこの世話なんか、できますとも。だって、あんなにかわいらしいんだもの。」と、いちばん末の男の子は、叫びました。

「お父さんに、お願いして、いいといったら、飼ってくださいね。」と、兄のほうが、いいました。

「おお、うれしい。」と、姉も、いっしょになって、喜びました。

三人の姉弟は、お父さんの帰りを待っていました。そして、どうしても頼んで、それを許してもらわなければならないときめていました。

「三人で、その世話ができるなら、飼ってもいいが、おまえたちにできるかね。」と、お父さんは、笑っていわれました。

「できます。」と、姉弟は、答えて、とうとうかわいらしいねこの子を、近所からもらってきました。

小川未明の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本