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TORENDIA

鉄塔の怪人

本文約82,700字 ・ 読了時間 約166分

あらすじ(AIが作成しました)

探偵の助手小林芳雄は、ある夕暮れに遭遇した謎の老人から、のぞきカラクリを見せられる。箱の中には巨大なカブトムシが鉄の城を這い回る光景が映し出されていた。その後、不穏な影が現実の邸宅に現れ、カブトムシの怪人が現出する。怪人は小林と賢二少年を鉄塔に拉致し、明智探偵を挑発する。明智の作戦によりヘリコプターで少年たちが救出される中、追い詰められた怪人は鉄塔の屋上から地上へと姿を消す。

江戸川乱歩

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のぞきカラクリ

明智探偵の少年助手、小林芳雄君は、ある夕方、先生のおつかいに出た帰り道、麹町の探偵事務所のちかくの、さびしい町を歩いていました。

麹町には、いまでも焼けあとの、ひろい原っぱがのこっています。かたがわは、草のはえしげった原っぱ、かたがわは、百メートルもつづく長いコンクリートべい。もう、うすぐらくなったその町には、まったく人どおりがありません。気味がわるいほど、しずまりかえっています。

ヒョイと、コンクリートべいのかどをまがると、そこに、みょうなものがありました。車の上に、四角い、大きな箱のようなものがのせてあって、その箱のまえがわに、三センチほどの、小さな丸い穴がよこに五つならんでいるのです。そして、その車のそばに、ひとりの白ひげのじいさんが、立っていました。

頭も白く、口ひげも白く、そのうえ、ながいあごひげが胸までたれ、しわくちゃの顔に、昔はやった、小さな玉のめがねをかけ、そのおくに、ゾウのようなほそい目がひかっています。着ているのは、三十年もまえにつくったような、古いかたの、はでなこうしじまの洋服で、それに、でっかいドタぐつをはいて、腰のうしろで両手をくみ、ニヤニヤ笑いながら立っているのです。

人どおりもない、こんなさびしい町かどで、なにをしているのだろうと、小林君は、おもわず立ちどまって、そのみょうなじいさんの顔をながめました。

「ハハハ……、おいでなすったね。わしは、さっきから、きみのくるのを待っていたんだよ。」

じいさんは、歯のぬけた口を大きくひらいて、顔じゅうを、しわだらけにして笑いました。

「ぼくを、待ってたって? 人ちがいじゃありませんか。ぼくは、おじいさんを見たことがありませんよ。」

小林君が、びっくりして、いいますと、じいさんは、まじめな顔になって、

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