赤いカブトムシ
本文約23,000字 ・ 読了時間 約46分
あらすじ(AIが作成しました)
世田谷区で怪しい黒マントの男に遭遇した三人の少女は、その男が森の洋館へ入るのを目撃する。同じ頃、少年探偵団の小林団長と木村くんは、洋館で女の子の悲鳴を耳にし、隠し戸の先に繋がる秘密を探り始める。やがて手がかりを辿った探偵団は、空を舞う青銅の魔人や風船の正体を追い、ルビーのカブトムシをめぐる不可解な難事件の解決に向けて、知恵と勇気を振り絞り、犯人の企みを暴こうと奔走する。
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
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あるにちよう日のごご、丹下サト子ちゃんと、木村ミドリちゃんと、野崎サユリちゃんの三人が、友だちのところへあそびに行ったかえりに、世田谷区のさびしい町を、手をつないで歩いていました。三人とも、小学校三年生のなかよしです。
「あらっ。」
サト子ちゃんが、なにを見たのか、ぎょっとしたようにたちどまりました。
ミドリちゃんもサユリちゃんもびっくりして、サト子ちゃんの見つめている方をながめました。
すると、道のまん中に、みょうなことがおこっていたのです。むこうのマンホールのてつのふたが、じりり、じりりと、もち上がっているのです。だれか、マンホールの中にいるのでしょうか。
マンホールのふたは、すっかりひらいていました。そして、その下から、黒いマントをきた男の人が、ぬうっとあらわれたのです。その人は、つばのひろい、まっ黒なぼうしをかぶり、大きなめがねをかけ、口ひげがぴんと、両方にはね上がっていて、黒い三かくのあごひげをはやしていました。
せいようあくまみたいな、きみのわるい人です。その人は、マンホールからはい出して、じめんにすっくとたち上がると、三人の方を見て、にやりとわらいました。そして、黒いマントを、こうもりのようにひらひらさせながら、むこうの方へ歩いていくのです。
「あやしい人だわ。ねえ、みんなで、あの人のあとをつけてみましょうよ。」
ミドリちゃんが、小さい声でいいました。ミドリちゃんのにいさんの敏夫くんは、しょうねんたんていだんいんなので、ミドリちゃんもそういうたんていみたいなことがすきなのです。サト子ちゃんもサユリちゃんも、ミドリちゃんのいうことは、なんでもきくくせなので、そのまま三人で、黒マントの男のあとをつけていきました。
黒マントは、ひろいはらっぱをとおって、むこうの森の中へはいっていきます。世田谷区のはずれには、はたけもあれば、森もあるのです。ひるまですから、もりへはいるのも、おそろしくはありません。三人は、こわいもの見たさで、どこまでもあとをつけました。
森の中に、一けんのふるいせいようかんがたっていました。
「あらっ、あれはおばけやしきよ。」
「まあ、こわい。どうしましょう。」