塔上の奇術師
本文約74,100字 ・ 読了時間 約149分
あらすじ(AIが作成しました)
名探偵明智小五郎の助手・花崎マユミと、彼女を師と仰ぐ中学一年生のスミ子とトシ子は、世田谷区の外れにある原っぱで不気味な時計塔を備えた古びた西洋館を目にする。同じ頃、四十面相という悪人が宝石を狙い、淡谷氏の元へ接近していた。マユミや小林少年、少年探偵団が知恵を絞り、怪盗が企てる犯行を阻止し、彼を追い詰めるべく奮闘する。名探偵とその仲間たちが、時計やしきを巡る不可解な事件の解明に挑む物語である。
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
💰 この本を応援する(投げ銭)
ふしぎな時計塔
ある夕がた、名探偵明智小五郎の少女助手、花崎マユミさんは、中学一年のかわいらしい少女ふたりと手をとりあって、さびしい原っぱを歩いていました。
畑があったり、林があったり、青い草でふちどられた小川がながれていたり、その上にむかしふうの土橋がかかっていたりして、まるで、いなかのようなけしきですが、ここは、いなかではなく、東京都世田谷区のはずれなのです。
マユミさんにつれられているふたりの少女は、淡谷スミ子と森下トシ子という、おなじ中学の同級生で、淡谷さんのおうちがこの近くにあるので、きょうはマユミねえさまと森下トシ子ちゃんをおまねきして、三人で、この原っぱへさんぽに出たのです。
スミ子ちゃんもトシ子ちゃんも算数がとくいで、ものごとを、すじみちをたてて考えることがすきでした。
ですから、読みものとしては、探偵小説がすきなのです。悪人が、いろいろなトリックをつかってだまそうとするのを、知恵の力でみやぶるのが、おもしろくてたまらないのでした。
それに、スミ子ちゃんもトシ子ちゃんも、スポーツがとくいで、同級の男の子たちにも負けないくらい、かっぱつな少女でしたから、どうかして、マユミさんのような、少女探偵になりたいと思ったのです。
さいわい森下トシ子ちゃんのおねえさまが、マユミさんのお友だちを知っていましたので、そのおねえさまに紹介してもらって、なかよしの淡谷スミ子ちゃんといっしょにマユミさんをたずね、弟子にしてくださいと、もうしこんだのです。
「まあ、あなたがた、ゆうかんね。中学一年じゃ、まだはやいわ。それに、おとうさまやおかあさまが、おゆるしにならないでしょう?」
「いいえ、うちのおとうさまは、明智探偵のファンなのよ。その明智探偵の弟子のマユミさんの、またその弟子になるのですから、おとうさま、きっとゆるしてくださるわ。」
森下トシ子ちゃんがいいますと、淡谷スミ子ちゃんも口をそろえて、