まほうやしき
本文約5,500字 ・ 読了時間 約12分
あらすじ(AIが作成しました)
井上一郎とその妹ルミ、友人のノロは、町外れの森にある西洋館でちんどん屋に誘い込まれる。そこは「まほうやしき」と称される仕掛けに満ちた館で、三人は怪しげな西洋悪魔やライオンの姿に変えられ、部屋が回転するなどの恐怖体験を強いられる。井上らは館から救助を求める手紙とバッジを投げ、それを発見した小林少年率いる少年探偵団が館を包囲する。探偵団は館の仕掛けを解き明かし、再び宿敵であるまほうはかせを追い詰める。
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しょうねんたんていだんのなかで、いちばんからだが大きくて力の強い井上一郎くんに、小学校三年生のルミちゃんという、かわいい妹がありました。そのルミちゃんが、ある夕がた、ちんどん屋のあとについて、町はずれのさびしい森の近くまで行ってしまったのです。
井上くんは、おかあさんにたのまれて、ちょうどそのとき、遊びに来ていた同じだんいんのノロちゃん(野呂一平くんのあだ名)とふたりで、方々さがしまわって、やっとルミちゃんを見つけましたが、ルミちゃんは、ちんどん屋のおじさんがおもしろいものを見せてやるというから、いっしょに行くのだといって、どうしても帰りません。
「きみたちにも見せてあげるから、いっしょにおいで。それはふしぎなおもしろいものだよ」
とんがりぼうしをかぶり、だぶだぶのどうけふくを着て、かおにはまっ白なおしろいをぬったちんどん屋が、やさしくいいました。
そして、三人は、町はずれの森の中の古い赤れんがのせいようかんへつれこまれたのです。みんなが、入口をはいってドアをしめると、中はまっ暗でした。
「あら、ちんどん屋さん、どこへ行ったの」
ルミちゃんがさけびました。しかし、なんの答もありません。
井上くんは、手さぐりでルミちゃんをさがし、その手をとりました。おくびょうもののノロちゃんは、井上くんのからだにしがみついています。すると、そのとき、むこうの方がぼうっと明るくなって、ちんどん屋のすがたがあらわれました。大きなまっかな口で、にやにやわらっています。
「さあ、これから、おもしろいものを見せてやるよ、えへへ」
そういったかと思うと、ちんどん屋のすがたが、水のゆれるようにぼうっとかすんで、まるで、えいがの二じゅう写しのように、べつのものにかわってきました。そして、そこにあらわれたのは、黒いシャツを着た、せいようあくまのおそろしいすがたでした。
「きゃあっ」と、ひめいを上げて、さいしょににげ出したのは、ノロちゃんでした。井上くんもルミちゃんの手を引いて、入口へひきかえしました。しかし、入口のドアは、おしても引いても、あかないのです。いつのまにか、かぎがかかってしまったのです。