ふしぎな人
本文約43,500字 ・ 読了時間 約88分
あらすじ(AIが作成しました)
木村たけしくんと妹のきみ子ちゃんは、近所に住む不思議な人物・林さんと親しくしていた。ある日、林さんは自身の姿を自在に大きくしたり小さくしたりする不思議な術を披露する。一方、たけしくんの家では父親が怪しい行動をとり始め、不穏な空気が漂う。やがて名探偵・明智小五郎とその助手・小林少年が介入し、怪人二十面相の正体や一連の奇妙な現象の謎に迫っていく。
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1 マントにんぎょうのまき
きむらたけしくんは、しょうがっこうの二ねん生で、とうきょうのひろいおうちにすんでいました。
おとうさんは、あるかいしゃのしゃちょうさんです。
きむらたけしくんのおうちのちかくに、ふしぎなせいようかんがあって、そこにふしぎな人がすんでいました。
二かいだてのふるいせいようかんで、そのまわりは、木のいっぱいはえたにわでかこまれていました。
このふしぎないえのふしぎな人は、林さんという、四十ぐらいのおじさんでした。
おくさんも子どももなく、たったひとりで、そのひろいせいようかんにすんでいるのです。
きんじょの人たちは、このせいようかんをばけものやしきといっていました。また、そこにひとりですんでいる林さんを、まほうつかいとよんでいました。
ところが、きむらたけしくんのおとうさんは、このふしぎな人とだいのなかよしだったので、林さんは、たけしくんのおうちへよくあそびにきました。
おとうさんはたけしくんと、いもうとのしょうがっこう一ねん生のきみ子ちゃんに、よくこんなふうにいってきかせるのでした。
「林さんはかわりものだが、けっしてわるい人じゃない。たいへんちえがあるのだよ。そのちえで、いろいろふしぎなことをやってみせるので、まほうつかいのようにみえるだけなのさ」
たけしくんもきみ子ちゃんも、林さんとなかよしになっていました。
ある日のごご三じごろのことです。たけしくんときみ子ちゃんは、林さんのおうちのにわであそんでいました。たくさんの木にかこまれたひろいしばふにこしをおろして、林さんのおはなしをきいていたのです。
林さんはくろいふくをきて、大きなくろいネクタイをとんぼむすびにしていました。
ふちなしの四かくなめがねをかけ、ぴんとはねた口ひげと、三かくのあごひげがあります。いかにもせいようのまほうつかいみたいなかっこうです。
その林さんが、こんなことをいいだしました。
「きみたちに、おもしろいものをみせてあげようか。びっくりするようなものだよ。わたしは、むこうの木のしげみにかくれるからね。すると、あそこのしいの木のねもとから、小さいものがあらわれるのだ。よくみているんだよ」