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TORENDIA

英国日食班の印象

本文約6,600字 ・ 読了時間 約14分

あらすじ(AIが作成しました)

北海道で皆既日食の観測を行う英国観測隊のストラットン教授一行と、その準備過程を綴る。物理実験とは異なる、二分間の皆既現象に全力を注ぐための周到な統制と、失敗を許さない緻密な計画の重要性を描く。観測機材から人の役割配置まで「決して失敗しない」ための万全な備えを目の当たりにした著者が、その研究態度への感嘆と敬意を記す。当日はあいにくの天候に見舞われ、成果を分かつ運命を前にした教授の姿を通して科学者の姿勢を考察する。

中谷宇吉郎

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昨年の秋C・T・Rウイルソン先生からの手紙で、ストラットン教授の一行が今度の日食観測に北海道の方へ行くことになったから宜敷くとのことであった。その後何の消息もなかったのであるが、新聞紙の上で愈々一行が日本へ着いたことを知って、もうそんな時機になったのかと思う位であった。ところが四月の末に初めてストラットン教授からの手紙で、三十日に札幌へ着くから仕事の上の打合せで会いたいとのことであった。実は友人の陸軍のN少佐が剣橋で約一か年気象の研究をしたいという話が前にあって、日本から持って行った器械で向うで野外観測をしたいというのであった。英国側でもそれはちょっと困る話であろうと思ったのであるが、兎に角頼んでみたところ、ストラットン教授が心よく引受けてくれて、剣橋の太陽物理学観測所で万端の便宜をはかって研究をさせてくれたことが最近あったのである。それで今度ストラットン教授が北海道へきた場合に、観測の上では出来るだけの便宜を得られることを内心希望していた次第なのである。

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