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TORENDIA

袈裟の良人

本文約10,900字 ・ 読了時間 約22分

あらすじ(AIが作成しました)

平家物語の時代、夫・渡邊左衛門尉渡と平穏に暮らす袈裟は、遠藤武者盛遠からの執拗な言い寄りに苦しむ。身の危険と夫への害を恐れた袈裟は、自らの命を差し出すことで夫を守ろうと決意し、夫の不在を装って盛遠に自分を討たせる計略を立てる。愛する妻にすべてを打ち明けられなかった夫の葛藤と、運命に翻弄される夫婦の悲劇を描く。

菊池寛

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人物

渡邊左衛門尉渡。

その妻袈裟。

遠藤武者盛遠。

時代

平家物語の時代。

情景

朧月夜の春の宵。月は、まだ圓ではないが、花は既に爛と咲きみだれてゐる。東山を、月光の裡にのぞむ五條鴨の河原に近き渡邊渡の邸の寢殿。花を見るためか、月を見るためか、簾は掲げられてゐる。赤き短檠の光に、主人の渡と妻の袈裟とがしめやかに向ひ合つて居る。袈裟は、年十六。輝くが如き美貌。

第一齣

――渡と袈裟――

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