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TORENDIA

蛙料理

本文約370字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

藪道でとびだす赤蛙にフランスで食べた蛙料理を思い出す「私」。友人の石田に料理を頼むと、妙に脚の長い蛙のソテーが出てきて、実は兎で誤魔化していたと白状する、久生十蘭のユーモラスな掌編。

久生十蘭

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🎧 蛙料理 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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むぐらをわけて行くと、むやみに赤蛙がとびだす。ふとフランスで食べた蛙料理を思ひだした。

牛酪焼の蛙の脚をつまんで歯でしごくと、小鳥よりもやはらかでなんともいへぬ香気が口の中にひろがる。

「おい、蛙のソーテは乙だつたな」といふと、並んで歩いてゐた石田が、

「おれもそれを考へてゐたところだ。こいつを忘れてゐたのは醜態だよ。おい、やらう」

「やつてもいゝが、皮を剥ぐのはごめんだ」

「脚首ンとこをむしつて、ぴいつとひつぱがすんだ。手袋をぬぐより楽だ。おれがやる」

三十何匹おさへつけて帰つたが、間もなく石田がソーテにして持つてきた。

なかなかよろしい。が、チトめうだ。

「こんな長い脛の蛙がゐたかなア」

「やや、見あらはされたか。どうも、やりかねてねえ、しやうがないから、隣にたのんで兎を一匹つぶしてもらつたんだ。おかげで八十円がとこ損をした」と頭を掻いた。

完

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