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TORENDIA

続蘿洞先生

本文約8,500字 ・ 読了時間 約18分

あらすじ(AIが作成しました)

ある記者に結婚の噂を囁かれる蘿洞先生は、人間嫌いで独身の学者として知られていた。記者はある夜、奇術興行の席で先生を見かける。先生は舞台上の女優、生野真弓に異常な執着を示し、その女優の病的な秘密を突き止めようと画策する。後に先生の屋敷を訪れた記者は、若い妻を迎えた生活の様子を覗き見る。そこでは先生が、人形のように美しい妻の隠された素足に対し、精巧な細工を施す異様な光景が繰り広げられていた。

谷崎潤一郎

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例の蘿洞先生が近頃奥さんを貰ったと云う噂がある。真偽は保證の限りでないが、しかし先生のことであるから、こっそり世間に知らせずに結婚し、何喰わぬ顔で澄ましていると云うようなこともないではなかろう。兎に角誰もほんとうの消息を知っている者はないのだが、今回も亦妙な因縁で、あの時のA雑誌記者がそれに関係しているのだと云う話。そして噂も右の記者から出たのである。

A雑誌記者は、いつぞや先生と蒟蒻問答をして以来スッカリ恐れ入ってしまい、あれきり訪ねたことはなかった。たゞ先生があれから間もなく大学の教授を罷めたのを新聞紙上で知ったゞけだった。はゝあ、教授を罷めて著述の方をやりたいと云っていたから、いよ/\引退したんだなと、記者はその時そう思ったけれども、その後どんな著述をしたか、何を研究しつゝあるか、多分専門の学術雑誌にでも発表されているのだろうぐらいに考えて、あまり問題にもしなかった。その間に数年を経、記者の方も今ではA雑誌社を退いてB新聞の演藝記事を担任していた。

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