まざあ・ぐうす
本文約25,100字 ・ 読了時間 約51分
あらすじ(AIが作成しました)
マザア・グウスという北アメリカ出身の女性が、孫のために創作し書き留めた美しい童謡を収める。これらは後に印刷され、イギリスをはじめ世界中の子供たちに親しまれた。本書は、その不思議で心躍る物語や遊び歌の数々を、日本の子供たちに向けて日本語の詩として翻訳し紹介するものである。著者自身の工夫を凝らした訳を通じて、古くから愛される童謡の魅力を届ける。
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
💰 この本を応援する(投げ銭)
[#ページの左右中央]
日本の子供たちに
[#改ページ]
はしがき
お母さんがちょうのマザア・グウスはきれいな青い空の上に住んでいて、大きな美しいがちょうの背中にのってその空を翔けったり、月の世界の人たちのつい近くをひょうひょうと雪のようにあかるくとんでいるのだそうです。マザア・グウスのおばあさんがそのがちょうの白い羽根をむしると、その羽根がやはり雪のようにひらひらと、地の上に舞うてきて、おちる、すぐにその一つ一つが白い紙になって、その紙には子供たちのなによりよろこぶ子供のお唄が書いてあるので、イギリスの子供たちのお母さんがたはこれを子供たちにいつも読んできかしてくだすったのだそうです。いまでもそうだろうと思います。それでそのお話をお母さんからうかがったり、そのお唄を夢のようにうたっていただいたりするイギリスの子供たちは、どんなにあの金の卵をうむがちょうや、マザア・グウスのおばあさんをしたわしく思うかわかりません。
ですが、ほんとうをいえば、そのマザア・グウスはやはりわたくしたちと同じこの世界に住んでいた人でした。べつにお月さまのお隣の空にいた人ではありません。子供がすきな、そうして、ちょうどあのがちょうが金の卵でもうむように、ぼっとりぼっとりとこの御本の中にあるような美しい子供のお唄を子供たちの間におとしてゆかれたのでした。ありがたいお母さんがちょうではありませんか。
そのグウスというおばあさんはいまから二百年ばかり前に、その当時英国の植民地であった北アメリカにうまれたかたでした。そのおばあさんに一人のちっちゃなまご息子がありました。おばあさんはそのまご息子がかわゆくてならなかったものですから、その子をよろこばせるためにその子のよろこぶような、そうしてその子の罪のない美しいお夢をまだまだかわいいきれいな深みのあるものにしてやりたいのでした。それでいろいろなおもしろいお唄をしぜんと自分でつくりだすようになりました。やっぱりその子がかわいかったのですね。