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TORENDIA

青水仙、赤水仙

本文約1,300字 ・ 読了時間 約3分

あらすじ(AIが作成しました)

うた子さんは庭に赤い絵の具と青い絵の具を入れた水仙の根を埋めるが、父親の作業によって掘り返されてしまう。失意のうた子さんの前に、赤いリボンと青いリボンをつけた不思議な二人の少女が現れ、一緒に遊ぶようになる。彼女たちとの交流が続く中、ある朝、うた子さんは草原で二つの色が並ぶ水仙の花を見つける。水仙の根に込めた願いと不思議な少女たちの関係を軸に、幼い少女の心と自然の神秘を描く物語である。

夢野久作

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🎧 青水仙、赤水仙 / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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うた子さんは友達に教わって、水仙の根を切り割って、赤い絵の具と青い絵の具を入れて、お庭の隅に埋めておきました。早く芽が出て、赤と青の水仙の花が咲けばいいと、毎日水をやっておりましたが、いつまでも芽が出ません。

ある日、学校から帰ってすぐにお庭に来てみると、大変です。お父様がお庭中をすっかり掘り返して、畠にしておいでになります。そうしてうた子さんを見ると、

「やあ、うた子か。お父さんはうっかりして悪い事をした。お前の大切な水仙を二つとも鍬で半分に切ってしまったから、裏の草原へ棄ててしまった。勘弁してくれ。その代り、今度水仙の花が咲く頃になったら、大きな支那水仙を買ってやるから」

とおあやまりになりました。

うた子さんは泣きたいのをやっと我慢して、裏の草原を探しましたが、もう見つかりませんでした。そうしてその晩蒲団の中で、「支那水仙は要らない。あの水仙が可愛いそうだ。もう水をやる事が出来ないのか」といろいろ考えながら泣いて寝ました。

あくる日、学校から帰る時にうた子さんは、「もううちへ帰っても、水仙に水をやる事が出来ないからつまらないなあ」とシクシク泣きながら帰って来ますと、途中で二人の綺麗なお嬢さんが出て来て、なれなれしくそばへ寄って、

「あなた、なぜ泣いていらっしゃるの」

とたずねました。うた子さんがわけを話すと、それでは私たちと遊んで下さいましなと親切に云いながら、連れ立っておうちへ帰りました。

二人はほんとに静かな音なしい児でした。顔色は二人共雪のように白く、おさげに黄金の稲飾りを付けて、一人は赤の、一人は青のリボンを結んでおりました。うた子さんはすこし不思議に思って尋ねました。

「あなたたちはそんな薄い緑色の着物を着て、寒くはありませんか」

「いいえ、ちっとも」

「お名前は何とおっしゃるの」

「花子、玉子と申します」

「どこにいらっしゃるのですか」

二人は顔を見合わせてにっこり笑いました。

「この頃御近所に来たのです。どうぞ遊んで下さいましね」

うた子さんはそれから毎日、三人で温順しく遊びました。本を見たり、絵や字をかいたり、お手玉をしたりして日が暮れると、二人は揃って、

「さようなら」

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