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TORENDIA

正義の花の環

本文約2,900字 ・ 読了時間 約6分

あらすじ(AIが作成しました)

三度目のメーデーを迎える日本において、勤労階級が抱える深刻な生活難やインフレーション、経済集中排除法の緩和による資本家の復活といった情勢を論じる。戦時下の経験と教訓を踏まえ、世界各国の勤労階級や女性と連帯することの重要性を説く。平和と生活の安定を求める日本の労働者が、真実の世界をつなぐ花の環の一環として、正義を掲げて歩み出すべきであるという展望を綴る評論である。

宮本百合子

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🎧 正義の花の環 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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三度めのメーデーが来る。ことしのメーデーはどんなメーデーになるだろう。お天気のよい日であることをのぞみたのしいメーデーの歌と行進とを期待する。去年は職場職場でなかなか趣向のこったプラカードや飾りものをもち出した。ブラス・バンドが先に立って行進した組合もあった。ことしのメーデーに自立合唱団や劇団はどんな自分たちの催しものを、全勤労者のメーデーの賑わいに交える計画だろう。日本でもメーデーには勤労階級が自分たちのなかから芽ばえはじめた歌や踊りを行進のよろこびに加える段階に進んで来た。

今年もわたしたちは、去年うたった親しみのある明るい新メーデー歌をうたって何十万人の行進を行うのだが、三度めぐって来るメーデーについて、誰しもその胸の下にはいろいろな感想がある。

一九四六年の第一回メーデーの、あの勤労階級の意義を示威するよろこびにさえみんながまだ馴れていなかったような内気なところのあるメーデー。それから、メーデーに勤労者は自分たちの意志と希望とを表現するものであるということを、その歌声の響のなかにもはっきり示した去年のメーデーの雰囲気。今年五月一日に、私たちみんなはどんなこころで、町から村から工場から、と歌うのだろう。

真面目な、いくつもの思いがある。第一、おととしのメーデーのスローガンであり、去年のメーデーにも主要なスローガンの一つであった働けるだけ食べられるように、という切実な要求は、今年のメーデーに、どんな新しい表現をもってあらわされるのだろう。

何故なら三年の間に最も重要なこの生活問題は解決されなかった。

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