虹の橋
本文約5,300字 ・ 読了時間 約11分
あらすじ(AIが作成しました)
湖のほとりで仲良く暮らしていたおたあちゃんと孤児のおきいちやんは、ある日土筆採りで三又土筆を見つける。それをおきいちやんに先に見つけられたおたあちゃんは、嫉妬心からそれを小川へ投げ捨て、おきいちやんを川へ転落させてしまう。その後おきいちやんは遠くへ売られ、やがて異郷で亡くなる。おたあちゃんは深い後悔を抱えて水神様にお祈りを捧げ続け、次第に虹の橋の先に天の御殿を見るようになる。やがておたあちゃんは姿を消し、二人が手を取り虹を渡る不思議な唄が村々に語り継がれる。
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(一)
ある山国に、美しい湖がありました。
この湖には、昔から、いろいろな不思議なことがありました。青々と澄んだ水が急に濁つたり、風もないのに浪が立つたり、空が曇つて星のない晩でも、湖の中にはお星様が映つて見えることなぞもありました。それには何か深い理由があるだらうと、村の人達は思つてゐましたが、湖の中におゐでになる水神様のほかには、誰も知りませんでした。
いろいろ不思議なことがある中でも、わけても不思議なのは、この湖の上にかかる虹の橋でした。それは、ほかでは見られない綺麗な大きな虹でした。虹が出るたびに村の人達は、いつも湖の岸へ出て、その美しさに見とれて居るのでした。
この湖に向ひ合つて、二つの村がありました。村の人達は、たいてい漁をしたり機を織つたりして、その日その日を平和に暮して居りました。
さて、この湖の一方の村に、おたあちやんと、おきいちやんといふ、それはそれは仲のよい友達がありました。二人とも同じ歳の九つでした。
二人は、姉妹のやうに、いえいえ姉妹よりも、もつともつと仲よしでした。それに顔や姿までが、どことなく似てゐたものですから、村の人達は双児のやうだとよく云ひました。
しかし、おたあちやんの家は、どちらかと云へば、村でも金持ちの方でしたが、おきいちやんの方は貧乏な家でした。また、おたあちやんには、本当のお父さんも、お母さんもありましたが、おきいちやんには、それがありませんでしたから、赤ン坊の時から伯父さんや伯母さんの手で、やしなはれて来たのでした。
この平和な村にも春はおとづれて来ました。機屋の窓にも、湖の上にも、陽炎がゆらゆらと燃えはじめました。
二人の仲よしは、芹だの、蓬だのと、毎日のやうに、湖に沿ふて遠くまで摘み草に出掛ました。
(二)
ある日、二人の仲よしは、土筆を採りに行くことになりました。おたあちやんのお母さんは、いつものやうに、二人にお弁当をこしらへてくれました。そして云ひました。