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TORENDIA

貧乏物語

本文約103,400字 ・ 読了時間 約207分

あらすじ(AIが作成しました)

大阪朝日新聞に連載された新聞記事をまとめた本書は、経済学者の視点から貧乏の根源を分析し、その根治策を論じる。著者は富の増殖のみを文明の尺度とする風潮を批判し、多数の人が道を聞くことを可能にする経済的基盤の必要性を説く。富者の奢侈廃止や所得の再分配を通じた貧富の懸隔の是正を提示し、貧乏が社会や人の感情に与える影響を考察する。また、貧乏根治に尽力する政治家ロイド・ジョージに関する論考を付録に収める。

河上肇

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序

この物語は、最初余が、大正五年九月十一日より同年十二月二十六日にわたり、断続して大阪朝日新聞に載せてもらったそのままのものである。今これを一冊子にまとめて公にせんとするに当たり、余は幾度かこれが訂正増補を企てたれども、筆を入るれば入るるほど統一が破れて襤褸が出る感じがするので、一二文字の末を改めたほかは、いったん加筆した部分もすべて取り消して、ただ各項の下へ掲載された新聞紙の月日を記入するにとどめておいた。ただし貧乏線を論ずるのちなみに額田博士の著書を批評した一節は、その後同博士の説明を聞くに及び、余にも誤解ありしを免れずと信ずるに至りしがゆえに、これを削除してやむなくその跡へ他の記事を填充し、また英国の食事公給条例のことを述べし項下には、事のついでと思って、この条例の全文を追加しておいた。ただこの二個所がおもなる加筆であるが、しかしそれでさえ、こうして印刷してみると、いかにもよけいなこぶができたようで、むだなことをしたものだと後悔している次第である。過去十数年間私はいろいろな物を書いたけれども、この論文ほどまとまったものはない。自分ではこれが今日までの最上の著作だと思う。と言ったからとて、――念のために付け加えておくが――世間の相場でこれを良書の一と認めてもらいたいなどという意味の要求をするのでは毛頭ない。

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