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TORENDIA

くらげのお使い

本文約3,900字 ・ 読了時間 約8分

あらすじ(AIが作成しました)

海の底の竜宮に住む竜王は、病に伏したお后を救うため、猿の生き肝が必要だという助言を受ける。使者に選ばれたくらげは、竜宮の素晴らしさを語って猿を言葉巧みに海へ連れ出す。しかし、道中でおしゃべりな性格から生き肝の目的を明かしてしまい、猿に機転を利かされて島へ引き返すことになる。再び島へ戻った猿は木の上へ逃げ込み、くらげは目的を果たせず竜宮へ帰る。失敗したくらげは竜王から激しい折檻を受け、その結果、現在の姿へと変わる物語である。

楠山正雄

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🎧 くらげのお使い / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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一

むかし、むかし、海の底に竜王とお后がりっぱな御殿をこしらえて住んでいました。海の中のおさかなというおさかなは、みんな竜王の威勢におそれてその家来になりました。

ある時竜王のお后が、ふとしたことからたいそう重い病気になりました。いろいろに手をつくして、薬という薬をのんでみましたが、ちっとも利きめがありません。そのうちだんだんに体が弱って、今日明日も知れないようなむずかしい容体になりました。

竜王はもう心配で心配で、たまりませんでした。そこでみんなを集めて「いったいどうしたらいいだろう。」と相談をかけました。みんなも「さあ。」と言って顔を見合わせていました。

するとその時はるか下の方からたこの入道が八本足でにょろにょろ出てきて、おそるおそる、

「わたくしは始終陸へ出て、人間やいろいろの陸の獣たちの話も聞いておりますが、何でも猿の生き肝が、こういう時にはいちばん利きめがあるそうでございます。」

と言いました。

「それはどこにある。」

「ここから南の方に猿が島という所がございます。そこには猿がたくさん住んでおりますから、どなたかお使いをおやりになって、猿を一ぴきおつかまえさせになれば、よろしゅうございます。」

「なるほど。」

そこでだれをこのお使いにやろうかという相談になりました。するとたいの言うことに、

「それはくらげがよろしゅうございましょう。あれは形はみっともないやつでございますが、四つ足があって、自由に陸の上が歩けるのでございます。」

そこでくらげが呼び出されて、お使いに行くことになりました。けれどいったいあまり気の利いたおさかなでないので、竜王から言いつけられても、どうしていいか困りきってしまいました。

くらげはみんなをつかまえて、片っぱしから聞きはじめました。

「いったい猿というのはどんな形をしたものでしょう。」

「それはまっ赤な顔をして、まっ赤なお尻をして、よく木の上に上がっていて、たいへん栗や柿のすきなものだよ。」

「どうしたらその猿がつかまるでしょう。」

「それはうまくだますのさ。」

「どうしてだましたらいいでしょう。」

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