実行的道徳
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あらすじ(AIが作成しました)
社会を時辰機に例え、社会維持に不可欠な倫理の重要性と、世間で誤解されがちな実行的道徳の本質を論じる。行いのみを重視する客観的人生を戒め、イエスの教えを通じて心のあり方に焦点を当てる。幼児のように無心でいることが天国への道であり、真の幸福であると説く。学識の有無や身分に関わらず、各自が分を守り、無心で善を行うことこそが、キリスト教が教える真の実行的道徳であることを詳述する。
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人は地に生れたるものにして、天を家とするものならず、人生は社会周辺の事実に囲まれてあるものなれば、性行を経綸すべき倫理なるもの一日も無かるべからざるなり。社会は時辰機の如し、一部分の破損は以て全躰の破損となり、遂には運行を止むるに至るべし。之を以て孰れの邦国にも孰れの社会にも必らず何等かの倫理あるなり。近頃実際的道徳の要を知りはじめたる、我日本は、此際深く自ら省みざるべからず。
然れども世間往々にして実際的道徳を誤解するものあり、唯だ其行ひにのみ重きを置きて其の心を問はざるが如き傾きあり。客観的人生にのみ心酔して主観的人生を顧みざるが如き趣きあり。イヱスの道徳は其平々坦々たるところに無量の深味あるが故に尊きなれ。彼は偽学偽弁に長じたるパリサイ人を罵れり、彼は罪に充ち汚れに満てるサマリヤの女を救ひに入らしめたり、彼は生命を人間に備へたり、彼は死を人間より絶たんとせり、凡そ斯の如きことは極めて平々坦々たるが如しと雖、其実は無量の深味あるなり。人生は吾等が生存する儘の人生にて止むべきにあらず、上よりの生命あり、下よりの死あり、人生といふものは其まゝなれど、生命の奥義、死の深淵は容易く知り得べきところにあらず。容易く知り得べからざるものを容易く人間に施したるは、イヱスのイヱスたる所以なりと云ふべし。