本文へ移動
TORENDIA

演劇雑誌

本文約460字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

毎月届く十種あまりの演劇雑誌を読み比べ、「テアトロ」の啓蒙性や「劇作」誌に見つけた新しい才能の匂いなど、率直な感想を綴る岸田國士の雑誌評。

岸田國士

速度
🎧 演劇雑誌 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

月々僕のところへ来る演劇雑誌が十種あまりある。そのうち純粋に「新劇的」と云へるものは二三に過ぎない。

「テアトロ」はソヴイエート的活気とエスペラント風の超国境性に満ちた研究雑誌であるが、今月は三周年記念号を出してゐる。なかなか啓蒙的ではあるが、一方日本の新劇運動を強引に一色化しようとする気配が感じられる。

×

「劇と評論」は時々調子が違ふので面喰ふ。近頃は評論陣を強化したやうに見える。「音楽と演劇」は杉野氏の薀蓄に聴くべく、スタニスラフスキイの「俳優修業」は好個の参考資料である。戯曲については、この雑誌あたりがもつと新風をもたらしてくれなければ淋しい。

「劇作」五月号の戯曲「湖心荘」は力作でしかも面白さうだ。今ついたばかりで二三頁しか読んでゐないが、いゝ才能の匂ひを嗅いだ。この雑誌は僕には縁の深い雑誌だが、今度の同人座談会は悪趣味だ。

×

「東宝」といふ宣伝雑誌がある。毎月巻頭に小林一三氏が「問はず語り」といふ一文をのせてゐる、が凡そ妙なことを平然と云つてゐる社長ぶりが面白い。但しその配下にある専門家は黙つてゐていいのか。

完

岸田國士の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本