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TORENDIA

「白い蛇、赤い蛇」

本文約580字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

舟橋聖一の長篇小説「白い蛇、赤い蛇」は、新聞連載を通じて多彩な人間ドラマを描く。人情と世相を鋭く捉え、官能的な描写を交えながら、登場する女性たちが抱く「自意識」という新たな魅力を浮き彫りにする。映画的な場面構成で物語を展開させ、新鮮な古典的文体を用いながら、読者を惹きつける事件的緊張感を作り上げている。作者の非凡な筆致により、現代の浮世絵とも呼ぶべき女性群像の姿を鮮やかに提示する作品である。

岸田國士

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🎧 「白い蛇、赤い蛇」 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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舟橋聖一氏長篇小説「白い蛇、赤い蛇」は新聞の連載小説として書かれたものだが、なるほどこれなら、大概の読者を満足させることに成功したであらう。

作者は必ずしも通俗味をねらつてはゐないが、さうかと云つて、芸術家気取りの独りよがりを売物にしてもゐない。人情と世相の上に、やゝ早熟とも思はれるほどの眼を向け、これに同君一流の官能描写を織り込んで、心理的ドラマの多彩な絵巻を作り上げてゐることは、たしかに、非凡な腕前である。

この小説の中に現はれる女人群像は、殊に見事な現代浮世絵である。それぞれの著しい特色の中に、たゞ共通なるものとして感じられるのは、かの「自意識」――何をしでかすかわからない自意識である。新しい女性のみに与へられたこの「新しい魅力」について、作者はまた作者らしい観察と想像を肆にしてゐる。私は、多くの読者が、この一点だけにでも、誘惑を感じない筈はないと思ふ。

筋の発展にもなかなか鮮かな手際を見せてゐる。映画的コンテイニユイテイイにも殆ど破綻を見せず、新聞小説などにあり勝ちな、空々しい「クウ・テアトル」は無論ないが、場面としての事件的緊張は、程よく全篇を調子づけ、文体の新鮮な古典味と相俟つて、教養ある読者の期待に添ひ得ること、万に疑ひなしである。

「面白い小説はないかなあ」と探してゐる人には「これを読んで見給へ」と勧め得る自信が私にはある。

完

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