シロ・クロ物語
本文約20,000字 ・ 読了時間 約40分
あらすじ(AIが作成しました)
南洋の港町の公園で、白髯の老人が二匹の猫シロとクロと共に不思議な占いの術を披露する。ある日、謎の男が商売を妨害し、事態は海賊たちの関わる冒険へと発展する。クロが囚われの身となる中、少年ポン公や老人が力を合わせて危機を乗り越え、鉄の扉に隠された地図を発見する。物語は、新たな探検へ向かうポン公と猫たちの門出、そして老人との別れをとおして、勇気を持つことの大切さを伝える。
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
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一 公園の占師 南洋のある半島の港です。太陽がてりつけて、暑い、けれどさはやかです。木がこんもりとしげり、椰子や棕櫚が、からかさのやうに葉をひろげて、いろんな花がさきほこつてゐます。
その港町の、公園の木かげに、みごとな白い髯をはやしたお爺さんが、ぢめんに毛布をひろげて、占の店をだしてゐます。まはりには、おほぜいの人があつまつてゐます。
このお爺さん、占といふのはつけたりで、じつは面白いことをしてみせるのです。十日に一度くらゐでてくるのですが、町の人たちはよく知つてゐて、薬屋の爺さんとか、白髯の爺さんとかいつてゐます。薬屋がしやうばいで白髯があだ名です。
「さあ/\、そんなによつてきちやいかん。」とお爺さんは人々にいひます。「これからいよ/\見とほしの術……うまくあたつたら、いくらでもよいから金をおいていくんだ。あたらなかつたら金はいらん。……おうこれ/\、シロちやんクロちやん、お前たちはひつこんでゐるんだ。」
シロちやんにクロちやん、それは猫のことです。まつ白な猫とまつ黒な猫で、いつもお爺さんがつれてゐるのです。これがあやしいのですが、たかが猫のこと、見物人たちは気がつきません。
そこでいよ/\見とほしの術……。お爺さんは、木の箱をとりだして、それを毛布の上にふせます。
「さあ/\、この箱の下に、なんでもよいからかくしなさい。わしが外から見とほして百ぱつ百ちゆう、ぴたりといひあてゝみせる。世にもふしぎな見とほしの術……。さあ/\誰かやつたやつた。」
お爺さんは、くるりとうしろをむいて、そのうへ両手で目をふさぎます。
一人の子供がでてきて、箱の下に物をかくします。見てるのは、見物人たちと、シロとクロの二ひきの猫だけです。
「もうよろしいか。」と爺さんはたづねます。
「よろしいよ。」と子供が答へます。
お爺さんはむきなほつて、じつと箱を見つめます。そしてちらと、シロとクロの顔を見ます。シロとクロもお爺さんの顔をちらと見ます。お爺さんはまた箱を見つめます。
「ははあ、つまらないものをかくしたな。石ころが二つ。どうだ。」
子供は頭をかいて、箱をとります。石ころが二つならんでゐます。