ふしぎな池
本文約12,200字 ・ 読了時間 約25分
あらすじ(AIが作成しました)
政雄たちは白ぬりの舟の進水式を行おうとするが、八幡様の池の水がにごり、計画を延期する。村の老人の助言で池をさらって掃除した子供たちは、底がきれいになり満足する。その後、池に現れた白さぎに心奪われ、大亀を捕らえて売ろうとした村人が、道中で亀の不思議な言葉を聞いて改心し、池へ亀を戻す。子供たちは大亀の帰還を喜び、村人と共に協力しながら池を守り、野原を耕す仕事へと活動を広げていく。
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一 朝早くから、子供たちは、みんな、政雄の所に集りました。
「早く行かうよ。」
待ちくたびれてゐる所へ、政雄が出て来ました。
「さあ、行かう。」
政雄をまん中にして、一かたまりになつて出かけました。
政雄は、白ぬりの舟をかついでゐます。おもちやの舟です。おもちやですけれども、長さが三メートルもある大きな物で、ぜんまいじかけのきかいがついてゐて、ねぢをまいて水に浮かべると、ひとりでに動き出すのです。東京のをぢさんから送つて来た物です。
今日は、みんなで、その舟の進水式をしようといふのです。進水式ですから、きれいな場所を選ばなければなりません。
ちやうどよい所があります。村はづれの岡のふもとの、八幡様のわきの池で、片がはは木がこんもりとしげり、もう片一方は、草の生えた土手です。その池には、ひとりでにわき出る水が、いつも、きれいにすんでゐます。
政雄たちは、舟をかついで、そこへやつて行きました。
ところが、びつくりしました。
池の水がにごつてゐるのです。いつもは、きれいにすんで、底まですつかり見通され、ふなや、はやが、泳いでゐるのもよく見えてゐました。それが、今日は、一面ににごつて、きたなくなつてゐるのです。
どうしたのでせう。池の中に、何か、へんなものがゐるのでせうか。これでは、まつ白い舟の進水式は出来ません。
「どうしよう。」
みんなは、さうだんしました。
「僕は、ほかで進水式をするのはいやだ。」
と、政雄はいひました。
それで、池の水がすみきるまで待つことにしました。
でも、早く進水式をやりたいのです。夕方来て見ると、大方すんでゐたので、明日は大ぢやうぶのやうです。
翌朝、みんなは、また、元気を出してやつて来ました。
ところが、また、にごつてゐるではありませんか。
「へんだなあ。」
「どうしたのだらう。」
「水鳥かしら。」
「かはうそかな。」
よくしらべて見ると、土手の草が、あちらこちら水にぬれてゐます。
「きつと、何か、あやしい物がゐるのだよ。」
「さうだ、つかまへてやらうよ。」
舟の進水式は二三日のばして、そのあやしい物をつかまへることにしました。
元気な子供たちです。