本文へ移動
TORENDIA

魔の電柱

本文約310字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

血まみれの幽霊を見たと叫んで逃げようとした女性客が、市電のセンターポールに顔をぶつけて昏倒する。毎月何人も負傷するという「魔の電柱」の噂を伝える田中貢太郎の怪談。

田中貢太郎

速度
🎧 魔の電柱 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 1

昭和十年九月二十八日の夜の八時比、駒込神明町行の市電が、下谷池の端の弁天前を進行中、女の乗客の一人が、何かに驚いたように不意に悲鳴をあげて、逃げ出そうとでもするようにして上半身を窓の外へ出したところで、そこにあったセンターポールで顔を打って昏倒した。

その女客は浅草区西鳥越町の市川喜太郎と云う人の細君で、墓参に往っての帰途であった。市電の方では驚いて近くの河野病院へ担ぎこんで手当を加え、悲鳴をあげて逃げ出そうとした事に就いて聞いてみると、席の隣に全身血みどろになった幽霊がいたので、夢中になって逃げようとしたところであったと云ったが、その電柱は従来、毎月五六名も頭を打っつけて負傷をするので魔の電柱と云われているものであった。

完

田中貢太郎の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本