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TORENDIA

紅色ダイヤ

本文約11,100字 ・ 読了時間 約23分

あらすじ(AIが作成しました)

尋常二年の頃に中学卒業程度の学識を持ち、科学探偵として数々の事件を解決してきた少年・塚原俊夫。ある日、探偵小説好きの叔父から、家宝である紅色ダイヤモンドが紛失したとの連絡を受ける。密室状態の書斎からダイヤが消えたという不可解な状況に対し、俊夫は犯人からの予告状の謎を解き、助手の大野と共に事件の真相解明に挑む。天才的な推理力を持つ少年探偵が、身内をも巻き込んだ大胆な計画に立ち向かう物語を描く。

小酒井不木

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謎の手紙

これから皆さんに少年科学探偵塚原俊夫君を紹介します。俊夫君は今年十二ですけれど、大人も及ばぬ賢い子です。六歳の時、三角形の内角の和が二直角になるということを自分で発見して、お父さんをびっくりさせました。尋常一年のとき、

菜の花や股のぞきする土手の児ら  という俳句を作って、学校の先生をアッと言わせました。尋常二年の頃にはもう、中学卒業程度の学識がありました。

俊夫君は文学が好きでしたけれど、それよりもいっそう科学に興味を持ちました。試みに俊夫君に自動車の構造を尋ねてみなさい、その場で巧みな図を描いて説明してくれます。また試みに象の赤血球の大きさは? と聞いてみなさい。言下に九・四ミクロンと答えます。俊夫君の作った遊星の運動を説明する模型は特許になって、中学校や専門学校で使われています。こういうわけで俊夫君は小学校を中途でやめて、独学で研究することになりました。

その後間もなく、俊夫君はふとした動機から探偵小説が好きになり、とうとう自分も科学探偵になる決心をしました。探偵になるには動物、鉱物、植物学や物理、化学、医学の知識がいるので、俊夫君は一生懸命に勉強しましたが、三年たたぬうちに、それらの学問に通じてしまいました。

お父さんは麹町三番町の自宅の隣に、俊夫君のために小さい実験室を建ててやりました。その中で俊夫君は顕微鏡をのぞいたり、試験管をいじったりして、可愛い洋服姿で夜遅くまで実験をしています。この実験室は、今は探偵の事務室を兼ねております。

俊夫君の名が高くなったので、近頃は日に二三人の事件依頼者があります。最近迷宮に入った大事件を三つも解決したので、少年名探偵の評判を得ました。しかし探偵という仕事は、命知らずの犯罪者相手のことですから、腕ずくでは俊夫君もかないません。

それがため命の危険なこともありますので、俊夫君は負けず嫌いの性分ですけれど、両親が心配して、この春から力の強い人を助手として雇うことになりました。その助手となったのが、すなわちこの柔道三段の私であります。

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