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TORENDIA

日本人に就て

本文約3,700字 ・ 読了時間 約8分

あらすじ(AIが作成しました)

中島健蔵への公開質問という形式を借りて、日本人特有の自意識過剰や行動過少という精神構造を論じる随筆。著者は、自身の内向的な性格や日本人が抱える自己卑下の感情を分析する。その上で、西洋文学の方法論が行き詰まる中で、日本人の内面に潜む複雑で偶然性に満ちた精神性が、文学における新たな発展の可能性を秘めていると主張し、読者に対して日本という存在についての考察を促す。

坂口安吾

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🎧 日本人に就て / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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健蔵兄、作品社から「中島健蔵氏へ質問」といふものを書けといふことで、文学には多々疑惑のみ溢れがちな日常ではあり渡りに舟と引受けたのですが、さて引受けてみて吃驚しました。なるほど疑問は次から次へとあるやうですが、さてそれを謙虚な質問といふ形に表はしてみやうとすると、これが非常にむづかしいのです。自分では疑問のつもりでゐるものが、質問の形に表はしてみやうとすると、いつのまにやらチャンと疑問に解答を与へてゐる不思議な自分に気付くのです。つまり僕の文学上の疑惑は常に「自問自答」といふ形にすつかり馴らされてゐて、唐突に心構えを変へてみたところで十日や廿日のことでは本心から謙虚な構えで他人に質問のできる自分でないことに気付きました。

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