TORENDIA
危機における理
論的意識
三木清
TORENDIA
危機における理論的意識
本文約7,800字 ・ 読了時間 約16分
あらすじ(AIが作成しました)
思想の危機を叫ぶ世相に対し、真に求められる理論的意識のあり方を論じる。自己の思想の限界を自覚し、矛盾や否定を媒介として自己を発展させる弁証法的思惟の重要性を示す。一方で、思想を固定化し独断論に陥る形式主義や自由主義の非現実性を批判する。真理は静止したものではなく、危機的状況を通じて具体化・発展する生命的なものであると捉え、理論と実践の弁証法的統一こそが危機を現実的に克服する道であると説く。
🎧 まだ音声版はありません
リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。
💰 この本を応援する(投げ銭)
1 / 10
思想の問題は今や思想の危機の問題として現われている。人々は到るところ、あらゆる機会において、思想の危機について語りかつ叫ぶ。しかし彼らは自己の語りつつあるもの、叫びつつあるものが何であるかを理解しない。いな、みずから理解することなく、理解しようと欲することなく、語りかつ叫ぶということがそれ自身また思想の危機のひとつの特徴である。思想の危機の叫びのうちに表現されるところのものは、理論的意識の欠乏であり、まさに「思想の貧困」である。けだし事物の本質を明らかにして思想を発展せしめることがかく叫ぶ者の目的でなく、彼らの目的はかえって正反対のものである。思想の危機を叫ぶことによってあたかも思想を窮迫せしめ、空虚ならしめ、かくて思想そのもののためでなく、むしろまったく他の意図のために謀ろうとすることが彼らの目的である。このときにあたって真実に思想を求める者は、彼らの叫びに迷わされ、驚かされ、恐れさせられることなく、自己の理論的意識をいよいよ鋭利ならしめ、果敢ならしめねばならぬ。そのためには思想の危機が本来いかなる意味のものであるかを明瞭にすることがなによりもまず必要である。
三木清の他の作品
TORENDIA
自己を中心に
三木清
自己を中心に
三木清 ・ 約4分
TORENDIA
政治の論理と人
間の論理
三木清
政治の論理と人間の論理
三木清 ・ 約5分
TORENDIA
生存理由として
の哲学
三木清
生存理由としての哲学
三木清 ・ 約6分
TORENDIA
わが青春
三木清
わが青春
三木清 ・ 約7分
TORENDIA
私の果樹園
三木清
私の果樹園
三木清 ・ 約2分
TORENDIA
哲学はやさしく
できないか
三木清
哲学はやさしくできないか
三木清 ・ 約23分
TORENDIA
論理と直観
三木清
論理と直観
三木清 ・ 約28分
TORENDIA
辞書の客観性
三木清
辞書の客観性
三木清 ・ 約9分
TORENDIA
日記と自叙伝
三木清
日記と自叙伝
三木清 ・ 約9分
TORENDIA
軽蔑された飜訳
三木清
軽蔑された飜訳
三木清 ・ 約6分
TORENDIA
書物の倫理
三木清
書物の倫理
三木清 ・ 約7分
TORENDIA
ハイデッゲル教
授の想い出
三木清
ハイデッゲル教授の想い出
三木清 ・ 約3分