TRENDIA CLASSIC
「生活」+「戦
争」+「競技」
÷0=能
夢野久作
1 / 5
┏━━━━━━━┓
┃ 「生活」│ ┃
┃ + │ ┃ ┏━┓
┃ 「戦争」│0┃=┃能┃
┃ + │ ┃ ┗━┛
┃ 「競技」│ ┃
┗━━━━━━━┛
この標題は表現派の禁厭札ではない。去年十月号の本誌の裏絵で、喜多実氏の「葵上」のスケッチ……又翌月号の本誌にその画を通じて、実氏の芸風と奏風氏の筆致をテニスに寄せて皮肉った無名氏の漫画……それから引き続いて新春号に奏風氏が書いた、これに対する感想文の「能楽スポーツ一体論」……と、この三ツを見ているうちに、ゆくりなくも出来上ったのがこの公式なのだ。
どうだ、わかるかね……ハハーン、ちょっとわかるまい。宇宙間に於ける至大至高の玄妙がこの中に含まれているのだからね。しかもダーウィンの進化論や、アインスタインの相対性云々よりも、もっと深刻透徹した名原則をあらわす公式なのだからね。……まずお聞きやれ……こんなわけだ。
吾々は日常生活に於て、途上車上のいずれを問わず、到る処に「能」を見ることが出来る。しかもその「能」なるものは、そこいらにありふれた専門家が舞台の上でやるソレよりも、はるかに緊張充実したものだから面白いではないか……と言ったとて、決して眉に唾するような話ではない。極めてありふれた、道理至極した話なのだ。
まず吾々の日常生活を煎じ詰めると、そこに「能」が現われて来る。換言すれば、ある一つの仕事を熱心誠実にくり返していると、その心境なり、その動作なりが、イツ知らず純一崇高化して来て、自然と能の型の均整美に接近して来るのだ。
夢野久作の他の作品
TRENDIA CLASSIC
青水仙、赤水仙
夢野久作
青水仙、赤水仙
夢野久作
TRENDIA CLASSIC
キキリツツリ
夢野久作
キキリツツリ
夢野久作
TRENDIA CLASSIC
犬と人形
夢野久作
犬と人形
夢野久作
TRENDIA CLASSIC
お菓子の大舞踏
会
夢野久作
お菓子の大舞踏会
夢野久作
TRENDIA CLASSIC
黒い頭
夢野久作
黒い頭
夢野久作
TRENDIA CLASSIC
クチマネ
夢野久作
クチマネ
夢野久作
TRENDIA CLASSIC
白椿
夢野久作
白椿
夢野久作
TRENDIA CLASSIC
章魚の足
夢野久作
章魚の足
夢野久作
TRENDIA CLASSIC
どろぼう猫
夢野久作
どろぼう猫
夢野久作
TRENDIA CLASSIC
ドン
夢野久作
ドン
夢野久作
TRENDIA CLASSIC
虫の生命
夢野久作
虫の生命
夢野久作
TRENDIA CLASSIC
若返り薬
夢野久作
若返り薬
夢野久作