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TORENDIA

茶粥の記

本文約14,400字 ・ 読了時間 約29分

あらすじ(AIが作成しました)

忌明けを迎えた清子は、亡き夫の遺骨を抱き、姑と共に故郷の秋田へ戻る。生前、役所に勤めながら茶粥を愛した夫の面影を追い、郷里でのささやかな暮らしを始める中、清子はこれからの歳月を姑と二人で支え合って生きていく決意を胸に、静かな山里の日常に身を投じていく。

矢田津世子

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忌明けになって姑の心もようよう定まり、清子と二人は良人の遺骨をもって、いよいよ郷里の秋田へ引き上げることになった。秋田といってもずっと八郎潟寄りの五城目という小さな町である。実は善福寺さんとの打合せでは五七日忌前に埋骨する手筈になっていたけれど、持病のレウマチスで姑が臥せりがちだったし、それにかまけてとかく気がすすまない様子なので、ついこれまで延びてしまった。それというのが四十九日の間は亡き人の霊が梁のところに留っているという郷里の年寄り衆の言い慣わしに姑も馴染んでいるためで、その梁の霊を置き去りにすることが姑にはどうにも不憫でならないらしかった。

荷をあらかた送り出して明日立つという前の朝、清子は久し振りで茶粥を炊いて姑と二人で味わった。良人のお骨へはふだん用いつけていた茶碗に少しばかりよそって供えた。この茶粥は良人が好物だった。大分以前から食通として役所の人たちや雑誌の上などで名が知られていたほうなので、ついその賞め言葉に乗って一途な清子は無暗とお粥をこしらえる。それが毎朝つづくという風でしまいには姑も良人も笑い出してしまうのだった。

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