殺人迷路
本文約6,800字 ・ 読了時間 約14分
あらすじ(AIが作成しました)
雑誌記者の津村と新聞記者の村井は、女優の如月真弓のアパートを訪れる。宮部京子の殺害容疑をかけられた探偵作家・星田を巡り、二人は意見を異にしていたが、真弓から驚くべき真相を聞かされる。かつて星田は真の悪漢である山川牧太郎の名を騙って交際しており、山川と京子が結託して星田を陥れたことが判明する。真弓の証言により、京子を殺害し星田に罪を着せた山川の悪事と、複雑に絡み合った因縁が明らかになる。
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親友? 仇敵?
疑問の洋装の女が、三映キネマの如月真弓!
寺尾に示されたスチールで、それを発見した津村は唸った。
雑誌記者津村がこの発見をした時と殆ど同時に、新聞記者村井は二木検事に、洋装の女が投身自殺を遂げた浦部俊子の妹らしいと云う推測を告げていた事を、読者諸君は承知せられている筈だ。
以上の二つの事実によって、津村と村井がバッタリと、如月真弓のアパートの入口で、顔を合したのは、決して偶然でない事を、読者諸君はうなずかれるであろう。
両者は無言のまま、相手を探るようにして、いや、むしろ敵意を持って、じっと睨み合ったと云う方がいいだろう。
二人は事件の日以来会っていないのだ。事件のあった日の前までは、二人は親しい友人だった。記憶のいい読者諸君はこの物語の冒頭で、探偵作家の星田と津村と村井とが、仲良く呑み合い、論じ合っていた事を思い出されるだろう。そうして、その時に、彼等の卓子の斜かいになった向うの卓子に、眼つきの怪しい三十五六の赭ら顔の紳士と、洋装の女と、それから植木の蔭になって見えなかった所の宮部京子の三人がいたのだ。その時に星田の滑らした完全犯罪の有無と云う言葉が怪事件の導火線をなして、宮部京子の殺害死体が鎌倉の空家に発見されて、その犯人として星田は検挙されたのだ。