TRENDIA CLASSIC

テレパシー

水野葉舟

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怪談の中でも、人間が死ぬ断末魔の刹那に遠く離れて居る、親しい者へ、知らせるというのは、決して怪談というべき類では無かろうと思う、これは立派な精神的作用で、矢張一種のテレパシーなのだ。

私の知ってる女で、好んで心理学の書を読んでいた人があったが、その女の談に、或時、その女が自分の親友と二人遠く離れて居て、二人の相互の感情が通うものか、如何か、一つ実験をしようと、前以て約束をして、それから後、お互に憶出した時、その月日と時刻とを記しておいて、後になって、それを互に合してみると、その中の十中の六までは、その相互の感情が、ひったり一致をしていたそうだ。元来女の性質は単純な物事に信じ易いものだから、尚更こういうことが、著るしく現われるかもしれぬ。それが為めか、かの市巫といったものは如何も昔から女の方が多いようだ。

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