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TORENDIA

『偶像再興』序言

本文約6,100字 ・ 読了時間 約13分

あらすじ(AIが作成しました)

偶像の破壊と再興の意義を論じる。生活において固定観念と化した偶像は破壊されるべきだが、それは同時に生命の源泉としての効用も持つ。文芸復興期における神々の再興や、使徒パウロによる偶像排斥の対立を辿りつつ、硬化した偶像を打破し、その内に秘められた真の生命を永遠に現在あるものとして再興させる必要性を説く。自らの偶像破壊的な経験を省みながら、陳腐な殻の内に新たな生命を見出す道筋と、人間の精神的葛藤について綴る。

和辻哲郎

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🎧 『偶像再興』序言 / 朗読音声: VOICEVOX:青山龍星

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一

偶像破壊が生活の進展に欠くべからざるものであることは今さら繰り返すまでもない。生命の流動はただこの道によってのみ保持せらる。我らが無意識の内に不断に築きつつある偶像は、注意深い努力によって、また不断に破壊せられねばならぬ。

しかし偶像は何の意味もなく造られるのではない。それは生命の流動に統一ある力強さを与えるべく、また生命の発育を健やかな豊満と美とに導くべく、生活にとって欠くべからざる任務を有する。これなくしては人は意識の混沌と欲求の分裂との間に萎縮しおわらなくてはならぬ。人が何らか積極的の生を営み得るためには「虚無」さえも偶像であり得る。

偶像が破壊せられなくてはならないのは、それが象徴的の効用を失って硬化するゆえである。硬化すればそれはもう生命のない石に過ぎぬ。あるいは固定観念に過ぎぬ。けれどもこの硬化は、偶像そのものにおいて起こる現象ではなく、偶像を持つ者の心に起こる現象である。彼らにとって偶像は破壊せられなくてはならぬ。しかし偶像そのものは依然としてその象徴的生命を失わない。彼らにとって有害なるものも、その真の効用を解する他のものにとっては有益で有り得る。偶像再興が生活にとって意義あるはそのためである。

二

文字通りの「偶像」について考えてみる。

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