TRENDIA CLASSIC
城
和辻哲郎
1 / 6
大地震以後東京に高層建築の殖えて行った速度は、かなり早かったと言ってよい。毎日その進行を傍で見ていた人たちはそれほどにも感じなかったであろうが、地方からまれに上京する者にはそれが顕著に感ぜられた。六、七年前銀座裏で食事をして外へ出たとき、痛切にシンガポールの場末を思い出したことがある。往来から夜の空の見える具合がそういう連想を呼び起こしたのかと思われるが、その時には新しく建設せられる東京がいかにも植民地的であるのを情けなく思った。しかしその後二年もたつとシンガポールの場末という感じはなくなった。おいおい高層建築が立ち並ぶに従って、部分的には堂々とした通りもできあがって来た。全体としては恐ろしく乱雑な、半出来の町でありながら、しかもどこかに力を感じさせる不思議な都会が出現したのである。
和辻哲郎の他の作品
TRENDIA CLASSIC
ある思想家の手
紙
和辻哲郎
ある思想家の手紙
和辻哲郎
TRENDIA CLASSIC
アフリカの文化
和辻哲郎
アフリカの文化
和辻哲郎
TRENDIA CLASSIC
生きること作る
こと
和辻哲郎
生きること作ること
和辻哲郎
TRENDIA CLASSIC
院展日本画所感
和辻哲郎
院展日本画所感
和辻哲郎
TRENDIA CLASSIC
エレオノラ・デ
ュウゼ
和辻哲郎
エレオノラ・デュウゼ
和辻哲郎
TRENDIA CLASSIC
院展遠望
和辻哲郎
院展遠望
和辻哲郎
TRENDIA CLASSIC
埋もれた日本
和辻哲郎
埋もれた日本
和辻哲郎
TRENDIA CLASSIC
岡倉先生の思い
出
和辻哲郎
岡倉先生の思い出
和辻哲郎
TRENDIA CLASSIC
巨椋池の蓮
和辻哲郎
巨椋池の蓮
和辻哲郎
TRENDIA CLASSIC
樹の根
和辻哲郎
樹の根
和辻哲郎
TRENDIA CLASSIC
歌集『涌井』を
読む
和辻哲郎
歌集『涌井』を読む
和辻哲郎
TRENDIA CLASSIC
蝸牛の角
和辻哲郎
蝸牛の角
和辻哲郎