本文へ移動
TORENDIA

妖怪学講義

本文約1,600字 ・ 読了時間 約4分

あらすじ(AIが作成しました)

四百余種の妖怪を八大部門に分類し、十年にわたる実地調査や研究を経て、迷信の正体である「迷心」を解き明かすことを目指した論考を収める。社会の道徳や教育における混迷を打破するために、宗教と教育の側面から妖怪学を講究する意義を説く。事実に基づいた研究の端緒を開くべく、読者からの資料提供を求めるとともに、妖怪研究会による疑義への対応体制についても言及する。

井上円了

速度
🎧 妖怪学講義 / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 2

余は、数年来研究せる四百余種の妖怪を八大部門に分かち、一昨年一年間を期して講述し、一時その筆記を印刷して有志諸氏に配布したりしが、その後、四方より続々購読を望まるるものありとて、書肆より切に再版を請求しきたれるをもって、ここに旧稿のまま再び印刷に付することとなす。再版は購読者の便をはかり、各部門につきてこれを合綴し、目録および付録を増加し、八大部門を合して六大冊となす。しかして、その印刷は余が哲学館拡張の件につき信州各郡巡回中に着手し、校合も多く他人に一任し、自ら修正を加うることあたわざりしは、余が遺憾とするところにして、かつ、そのことは読者に謝せざるを得ざるところなり。左に初版『妖怪学講義緒言』に題せし序文を掲ぐ。

この緒言中に述ぶるがごとく、余、独力をもって日業の余暇、妖怪研究に従事することここに十年、その間、自ら四百余種の書類をさぐり、人より四百余項の通知をかたじけのうし、これに加うるに、全国六十余州を漫遊して実地に見聞したるもの、またすこぶる多し。ゆえにその材料、決して乏しというべからず。しかるに、そのうち事実として取るべきものわずかに十分の一に過ぎざれば、これによりて好結果を得ることはなはだ難しとす。ことに、これらの事実を抽象概括して一学科を組織するがごときは難中の難事にして、余輩不肖、遠く及ぶところにあらず。ただその端緒を今日に開かんと欲して、拙劣を顧みず、『妖怪学講義』を世に公にするに至る。こいねがわくば、四方の博覧達識の士、余が微志を助けて好材料を寄送し、もしくは参考書を指示せられんことを。郵書は東京市本郷区蓬莱町二十八番地、哲学館へ向け投函あらんことを請う。まず一言を題して、懇請することかくのごとし。

また、左に初版『妖怪学講義』第一冊に題せしものを掲ぐ。

井上円了の他の作品

同じジャンルの朗読つきの本