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TORENDIA

星とピエロ

本文約530字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

夜空に浮かぶ星々を銀紙を張ったボール紙であると語り、銀河系は女の帯に銀紙を擦りつけたものに過ぎないと主張する詩である。学者たちが説く神秘的な宇宙観を否定し、星の輝きやその距離について、独自の見地から空に吊るされた銀紙という比喩を用いて持論を綴る。対象に対する怒りや冷笑を交えながら、天体観測に対する懐疑的な視点と強烈な反骨精神を表現している。

中原中也

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🎧 星とピエロ / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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何、あれはな、空に吊した銀紙ぢやよ

かう、ボール紙を剪つて、それに銀紙を張る、

それを綱か何かで、空に吊し上げる、

するとそれが夜になつて、空の奥であのやうに

光るのぢや。分つたか、さもなけれあ空にあんなものはないのぢや

それあ学者共は、地球のほかにも地球があるなぞといふが

そんなことはみんなウソぢや、銀河系なぞといふのもあれは

女共の帯に銀紙を擦りつけたものに過ぎないのぢや

ぞろぞろと、だらしもない、遠くの方ぢやからええやうなものの

ぢやによつて、俺なんざあ、遠くの方はてんきりみんぢやて

見ればこそ腹も立つ、腹が立てば怒りたうなるわい

それを怒らいでジツと我慢してをれば、神秘だのとも云ひたくなる

もともと神秘だのと云ふ連中は、例の八ツ当りも出来ぬ弱虫ぢやで

誰怒るすぢもないとて、あんまり始末がよすぎる程の輩どもが

あんなこと発明をしよつたのぢやわい、分つたらう

分らなければまだ教へてくれる、空の星が銀紙ぢやないというても

銀でないものが銀のやうに光りはせぬ、青光りがするつてか

それや青光りもするぢやらう、銀紙ぢやから喃

向きによつては青光りすることもあるぢや、いや遠いつてか

遠いには正に遠いいが、それや吊し上げる時綱を途方もなう長うしたからのことぢや

(一九三四・一二・一六)

完

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