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TORENDIA

宮沢賢治の詩

本文約430字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

概念を退け、刻々の印象をそのまま書きとめようとした宮沢賢治の詩法を読み解き、動物より植物を、夏より冬を愛したその気質を評する中原中也の詩論。

中原中也

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🎧 宮沢賢治の詩 / 朗読音声: VOICEVOX:玄野武宏

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彼は幸福に書き付けました、とにかく印象の生滅するまゝに自分の命が経験したことのその何の部分をだつてこぼしてはならないとばかり。それには概念を出来るだけ遠ざけて、なるべく生の印象、新鮮な現識を、それが頭に浮ぶまゝを、――つまり書いてゐる時その時の命の流れをも、むげに退けてはならないのでした。

彼は想起される印象を、刻々新しい概念に、翻訳しつつあつたのです。彼にとつて印象といふものは、或ひは現識といふものは、勘考さるべきものでも翫味さるべきものでもない、そんなことをしてはゐられない程、現識は現識のまゝで、惚れ惚れとさせるものであつたのです。それで彼は、その現識を、出来るだけ直接に表白出来さへすればよかつたのです。

要するに彼の精神は、感性の新鮮に泣いたのですし、いよいよ泣かうとしたのです。つまり彼自身の成句を以つてすれば、『聖しののめ』に泣いたのです。

そしてその気質としては、動物よりも植物を、夏よりも冬を愛し、――『鋼青』を『苹果』を、午前のみそれを愛したのです。

完

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